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賛否両論あるが「甲子園7回制」には反対 選手のためなのか? もっと先にすべきことがあるはず(小倉清一郎)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月12日 9時26分

賛否両論あるが「甲子園7回制」には反対 選手のためなのか? もっと先にすべきことがあるはず(小倉清一郎)

1回戦を突破した大阪桐蔭ナイン(C)日刊ゲンダイ

【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】#205

 先月、巨人・岡本和真が広島・森下暢仁の浮いたフォークを右越えへ、今季初めて逆方向へ本塁打したのを見た。それまでは状態が悪く、強引に引っ張った凡打が多かった。体が早く開いてしまっていたが、見事に修正した本塁打だった。

 第203回の当コラムで、スランプになってしまった時は「ハンガーカーブ」といわれる肩口からのカーブをマシンで設定し、体を開かずにセカンドやショートの頭を狙ってはじき返すと、自然と「開き」が矯正されると述べた。

 7日に夏の甲子園が開幕したが、地方大会からの傾向として“飛ばないバット”を使うことで大振りし、体が早く開いてしまうケースが多いと感じる。「ハンガーカーブ」で矯正して欲しい。これを「結果論」だと感じる読者がいたら、ご容赦願いたい。

 その甲子園では高野連が導入を検討しているという「7イニング制」の話題で持ちきりだそうだ。

 明徳義塾の馬淵史郎監督は「9回をやらせてあげたい。(7回制になったら)好投手を2人持っていて、四回まで2点差で勝っていたら勝てる。弱いチームが強いチームに勝てるっていう人がいるけど逆。余計に差が出る」と言えば、大阪桐蔭の西谷浩一監督も「八、九回はすごく大事。9イニングなら、スタメンの全選手が最低3打席は立つことができる。2回しか立てない選手がいるとなると少ない。しっかり9イニングやらせてもらいたい」という「反対」意見が報じられている。一方で広陵の中井哲之監督は「選手ファーストで賛成」としていた。

 私は「反対」である。野球の醍醐味は八、九回にある。U18W杯などの国際大会は7回制というが、これは「10日間で6試合」と甲子園大会よりはるかに短期間で集中的に行うからでもある。

 投手は9回なら130~140球だが、7回なら100球で十分。確かに消耗は減り、選手ファーストかもしれないが、「投げ込み不足」になることが予想される。試合が短くなれば練習時間も短くなる。当然、選手も育たない。どっちが選手のためなのか──。

 馬淵監督が言うDH制も手だろうし、今はないが「七回15点差」などに設定して甲子園でもコールド制を取り入れるのも手だろう。私はかねて1回戦だけでも、冷房の効いた「京セラドーム大阪」と甲子園を併用するプランを唱えている。7回制より先にやることがあるだろう。これは多くの現場の指導者の声ではないか。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

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