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「南海トラフ地震臨時情報」発表を受けた和歌山・白浜町のタメ息…損害額5000万円の老舗旅館も

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月13日 11時3分

「南海トラフ地震臨時情報」発表を受けた和歌山・白浜町のタメ息…損害額5000万円の老舗旅館も

例年は海水浴客で賑わう和歌山県白浜町の海岸(C)共同通信社

 気象庁が初めて発表した「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を受け、お盆のハイシーズンを迎えた観光地が悲鳴を上げている。

 延長約620メートルにわたる美しい白浜が「日本の快水浴場百選」にも選ばれている和歌山・白浜町の白良浜──。臨時情報発表翌日の9日からおおむね1週間程度の閉鎖を余儀なくされ、10日に予定されていた「2024南紀白浜花火フェスタ」も中止となった。そして、今回の臨時情報発表は近隣施設にもさまざまな影響を及ぼしている。

 町内有数の宿泊施設「HOTEL SEAMORE」の林英紀支配人に話を聞いた。

「和歌山という土地柄、南海トラフ地震に関しての注意は常々行っており、今年6月にも避難訓練をしたばかりです。今回の発表後も宿泊客の誘導を含めたミーティングを改めて行うなど、万が一に備えた注意意識は高めております」

 臨時情報発表以降、「1割から2割のキャンセルが出ています」(同前)というが、なかには更に深刻なダメージを被っている施設も存在する。白浜町の老舗温泉旅館「むさし」の沼田弘美女将が嘆息する。

「当館の場合は通常対応のキャンセル料がかかることをお伝えして、ご予約客には日程のご変更などの対応もさせていただきましたが、『海水浴ができない』『花火大会が中止』などの理由から、当日100%、前日50%かかるキャンセル料を払ってもキャンセルするお客さまが相次いでいます」

■宿泊客の半分以上がキャンセル

 白浜町は関西屈指の観光地。本来なら「お盆などのハイシーズンは予約が取れないことで有名」(旅行ライター)だ。しかし、「(臨時情報発表後の)9日以降、お盆期間の13日に関しては、宿泊客のおよそ半分以上がキャンセルとなっております」と前出の沼田女将はこう続けた。

「(キャンセルの)件数的にはまだ正確には把握できておりませんが、8月分だけですでに5000万円分のキャンセルが出ているのが現状です。今回は和歌山で地震が起きたわけではないのですが、お客さまの中には年初に能登で起きた震災などの記憶も新しいでしょうから、二の足を踏まざるを得ないのかもしれません。そうしたことを考えると、今後もキャンセルは続くかもしれません。せっかくコロナ禍前の数字に戻りつつあったのですが……」

 カキいれ時に発せられた史上初の警告は、間接的な被害を相当生んでいる。

  ◇  ◇  ◇

 8月8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報」。発表を受けてX(旧ツイッター)では、「根拠はないけど」といった注釈をつけつつ、「自分なりの警戒情報」を発する者が後を絶たない。一体なぜか。●関連記事【もっと読む】SNSで“オレ流地震予知情報”を出す心理…識者は「フェイクニュースであり慎むべき」と指摘で、詳しく解説している。

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