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スマホやゲーム機の長時間利用で子どもが“スマホ斜視”に…使う際はみる距離と時間に気をつけて

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月14日 9時26分

スマホやゲーム機の長時間利用で子どもが“スマホ斜視”に…使う際はみる距離と時間に気をつけて

デジタル機器は目の負担が大きい(C)日刊ゲンダイ

 夏休みも中盤となり、子どものスマホやゲームのやり過ぎに頭を悩ませている家庭も多いのではないでしょうか。

 デジタル機器は多くのメリットがある一方で、成長期の子どもの心身に悪影響を及ぼす面も否定できません。5年前にWHOが病気と認定したゲーム障害もその一例ですが、忘れてはならないのが、子どもの目への影響です。目の機能が未発達の子どもにとって、デジタル機器は目の負担が大きく、近視の低年齢化や増加の一因となっているからです。

「手元で画面を見るスマホやゲーム機は、目からの距離が短くなりがちです。紙の本の視距離は平均30センチですが、スマホ画面は20センチ。10センチ短いだけで目のピント調節にかかる負担が1.7倍大きくなり、これを長時間続けると近視につながるのです。夏休みはこの状態が加速するので注意が必要です」

 こう話すのは子どもの目に詳しい眼科専門医の近藤永子・日本眼科医会常任理事。

 子どもの裸眼視力の低下の割合は近年、右肩上がりに増加しています。文部科学省の調査では1979年の小学生と中学生の裸眼視力1.0未満の割合は、それぞれ17.9%と35.2%だったのが、2022年には37.9%と61.2%となり、その多くの原因は近視であると報告されています。

 近藤先生によると、近視の増加以外にも、内斜視(視線が内側にずれる)やドライアイのリスクも高まるそうです。

「スマホやゲーム機では夢中になって画面を見るのでまばたきの回数が少なく、目を大きく見開く傾向にあり、ドライアイが起こりやすくなります。また、スマホを長時間、近い距離で見続けた子どもが内斜視、いわゆる“スマホ斜視”になるケースもあり、スマホを使う時には見る距離と時間に気をつける必要があります」

 2021年から小中学生に1人1台のパソコンやタブレットが支給され、学校でもデジタル教育が進められています。授業でもデジタル機器が当たり前という時代、子どもの目の健康を守るにはどうしたらいいのでしょうか。

 この問題に取り組んでいる日本眼科医会では、子どもにも理解しやすい漫画などで近視の予防法を公開しています。その内容を簡単にまとめると──。

①スマホなどの端末は画面から30センチ以上離す②画面を見続けるのは30分まで。1回は20秒以上遠くを見る③外で遊ぶ、運動するといった戸外活動を2時間は行う。

 これを子どもの頃から習慣づけることが大切と近藤先生は言います。

「家ではどうしても端末を見続けがち。親が時々声をかけて子どもの視線を他に向けさせ、ゲームをするなら画面の小さい端末ではなく、大きな画面で遠くから見るテレビの画面を使うといったちょっとした工夫が予防につながります」

 夏休みを機に子どもの目の健康を見直してみたらいかがでしょう。

(医療ジャーナリスト・油井香代子) 

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