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和歌山県有田市はなぜ「蚊取り線香」発祥の地になった? ライオンケミカルに聞いた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月15日 9時26分

和歌山県有田市はなぜ「蚊取り線香」発祥の地になった? ライオンケミカルに聞いた

明治時代に次々に会社が誕生したなか、山彦製粉工場の上山彦松氏が…(提供写真)

【会社のギモン】ライオンケミカル

 夏の季節に欠かせない蚊取り線香。その蚊取り線香発祥の地が和歌山県有田市だ。「金鳥」の大日本除虫菊、「キング香」のキング化学(白元と合併)、「月虎かとり」の内外除虫菊(現・オズ)、そして「ライオンかとり」のライオンケミカルなどの会社が明治時代に次々と誕生した。

 ではなぜ、有田市が蚊取り線香の町になったのか?有田市はもともとミカン農家が多く、そのミカン畑で“副業”として除虫菊を栽培するのが盛んだった。さらに“ある人物”が貢献する。

「山彦製粉工場(ライオンケミカルのルーツ)の上山彦松が有田に除虫菊栽培が広がり始めることに興味を持ち、水車を建設して製粉作業を効率化しました」(広報担当者)

 除虫菊は当初、粉末にして蚊ではなく、「のみとり粉」として使われていたそうだ。粉を畳の下にまいて使っていたのだが、いつごろからか粉を火鉢に入れて燃やすと、殺虫成分の「ピレトリン」が蚊の殺虫や忌避に役立つことがわかった。

 しかし、粉のままでは火鉢に頻繁に補充する手間がかかったため、棒状の22センチほどの線香タイプが登場。ただ、この線香タイプも燃焼時間が45分ほどと短く、後に「渦巻き形」の今でも目にするタイプの蚊取り線香が誕生した。

「当時は1メートルもあるような半ねり状の線香を手作業で2本ぐるぐる巻いて作っていました。この手間暇かかる作業を世界で初めて自動化にこぎつけたのが上山彦松です。試作や改良を繰り返し、完成までに40年を費やし、ついに昭和18(1943)年、蚊取り線香自動製造機は誕生しました」(前出の担当者)

 同社は自動製造機の特許を公開。そのため他社の渦巻きも時計回り(右巻き)となっているが、金鳥の大日本除虫菊は他社との区別から反時計回り(左巻き)にしている。ちなみに、昭和18年に誕生した自動製造機は、今も元気に稼働しているという。

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