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コスモス薬品は「刺し身も売る」ドラッグストアになれるのか?(有森隆)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月15日 9時26分

コスモス薬品は「刺し身も売る」ドラッグストアになれるのか?(有森隆)

福岡市内に展開するコスモス薬品の店舗(C)共同通信社

【企業深層研究】コスモス薬品(下)

 ドラッグストア業界は大再編の渦中にある。イオン主導で子会社のウエルシアホールディングス(HD、2025年2月期の売上高は1兆2870億円の予想)とツルハHD(25年5月期の売上高は1兆800億円の予想)が27年12月末までに経営統合する。売上高が2兆円を超えるメガドラッグストアが誕生する。

 かつてドラッグストア業界の盟主だったマツモトキヨシは、統合会社マツキヨココカラ&カンパニー(25年3月期の売上高は1兆500億円を予想)の誕生で、ウエルシア=ツルハ連合を追う。さらに、コスモス薬品(25年5月期の売上高は1兆370億円を予想)も1兆円クラブに名乗りを上げた。

 ドラッグストア業界はコンビニエンス業界と同様に、大手3社に集約されるとみられている。ウエルシア=ツルハ連合、マツキヨココカラに続く大手3社の一角にコスモスが食い込むことができるかが注目だ。

 コスモスは7月18日の決算説明会で、横山英昭社長が出店戦略や他社が強化している生鮮食品の販売に関する見方について語った。ダイヤモンド・オンライン(7月22日付)が質疑応答を報じた。

 コスモスは、食品構成比が6割を超えるが、コストがかかる生鮮食品(肉・魚・野菜)を扱わず、加工食品や冷凍食品、チルド食品に絞った形で食品売り場を展開してきた。

 ライバルは生鮮食品に力を入れている。イオン九州とウエルシアHDが共同出資したイオンウエルシア九州(福岡市)は、調剤機能を備えたドラッグストアと生鮮食品などを充実させたスーパーを統合したウエルシアプラスの出店を進めている。

 調剤でリピーターを育て、刺し身など生鮮食品から日用品まで購入できるようにして囲い込みを進めることで、30年に売上高1800億円を目指す。セールスポイントは刺し身も売る薬局だ。

 コスモスの本拠地の九州で、イオンウエルシア九州が、ドラッグストアでは珍しい刺し身や店内調理の総菜も売り場に並べた薬局で殴り込みをかけた。

 コスモスはどう応えるか。

「生鮮の販売は破壊力があり、集客の肝であることは理解している。ただ、生鮮はやはり鮮度が重要。鮮度管理のノウハウが(ないことが)大きな課題だ。ディスカウントストアはローコストオペレーションを確立しないと成立しない。生鮮3品が品揃えに加われば最強になるかもしれないが、なかなか難しい」(横山社長)

 同社長は生鮮導入に際してM&A(合併・買収)を否定しており、コンセッショナリー(専門テナントの委託販売)を見据えているのだろう。

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