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中高生にも…若者に広がる「スマホ老眼」も深刻な目のトラブル

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月15日 9時26分

中高生にも…若者に広がる「スマホ老眼」も深刻な目のトラブル

スマホの使い過ぎが原因でなる(C)日刊ゲンダイ

 子どもの近視予防には「距離」と「時間」と「戸外活動」があると紹介しました。今回は戸外活動について、説明を付け加えます。

 子どもの近視予防に外遊びが有効であることはさまざまな研究で証明されており、日光の下で遊ばない子どもは近視になりやすいことがわかっています。

「ただし、夏の炎天下の外遊びは熱中症の危険があるため避けた方がいいでしょう」

 近藤永子・日本眼科医会常任理事は、こう注意を呼びかけます。

 外に出るなら早朝の涼しい時間帯や木陰、建物の陰などの工夫をするのがいいそうです。また、2時間通してではなく、何回かに分けて外に出るのも有効とのこと。

 デジタル機器が生んだ目のトラブル「スマホ斜視」に並んで問題になっているのが、若者の間に広がっている「スマホ老眼」です。

「スマホ老眼」は30代以下の世代に老眼のような症状が出る状態を言います。40歳前後から始まる普通の老眼は、加齢により目の調整機能が衰えて起きるのに対して、スマホ老眼はスマホの使いすぎが要因で、時には10代後半の中高生にも起こることがあります。「スマホ斜視」と並んで深刻な目のトラブルと言っていいでしょう。

 近藤先生はその理由をこう説明します。

「スマホやタブレットなどを長時間見続けると目のピント調節をする筋肉が緊張し、近くから遠くへと見る距離を変えた時、これまでのようにスムーズにピントを合わせることができなくなるのです。デジタル機器は紙の書籍よりそういった現象が起きやすいので、スマホ老眼と言われています」

 子どもの近視や内斜視でも説明したように、紙で文字を読む場合の視距離は平均30センチであるのに対し、スマホやゲーム機などの距離は20センチと短いことが主な原因とされています。

「若者世代では、仕事をパソコンで行い、休憩時間や仕事終了時にスマホを見るというライフスタイルが一般的です。よほど意識しない限り、日常的に長時間、デジタル画面を見続けてしまうのです」(近藤永子医師)

 そのため、目の筋肉の過緊張が続き、筋肉が固まったような状態になることで、目の疲れや調節機能の低下を招くそうです。

「スマホ老眼」は、原因となるスマホの長時間使用をやめ、目を休めることで回復しますが、なかには強い眼精疲労や頭痛などを起こすこともあるそうです。

 若くして老眼になる前に、最低限おさえておきたいスマホやパソコンの使い方は次の通りです。

 ①スマホを見る時には30センチ以上離す。②パソコンは50センチ。③1時間使ったら10分程度の休息をとり、遠方(5~6メートル先)を見る。画面の明るさを調整する。④メガネは眼科を受診し、適切な度数のものを使う。

 正しい情報を得ることが目を守る第一歩と言えます。

(医療ジャーナリスト・油井香代子)

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