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目の健康と病気の中間の状態に当たる「アイフレイル」を放置する危険

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月16日 9時26分

目の健康と病気の中間の状態に当たる「アイフレイル」を放置する危険

まず自分の目の状態を知ることが大切

 40歳は健康のターニングポイントといわれていますが、目のトラブルも40歳を過ぎたあたりから増えてきます。老眼の症状が出始めるのもこの頃からです。

 日本眼科啓発会議が40~89歳を対象に行った調査(2021年)では、健康面で不自由を感じていることとして最も多かったのが目(視覚)で、ほぼ半数の47.7%の人が悩みを抱えていることがわかりました。

 多くの人が気にする物忘れよりも、実際に悩んでいるのは目というわけです。

 具体的には「小さな文字が読みにくい」「目が疲れやすい」「視力が低下している」といったもので、年齢を重ねると誰もが思い当たる悩みです。

 こういった加齢に加えてストレスや環境などで目の働きが衰える状態を、最近では「アイフレイル」と呼んでいます。目の健康と病気の中間の状態に当たります。

「アイフレイルを年のせいだから仕方ないと放置していると症状が進み、場合によっては失明など深刻な事態になりかねません。アイフレイルのうちに対策をとることで目の健康寿命を延ばすことが可能です」

 アイフレイルに詳しい日本眼科医会の加藤圭一副会長はこう話します。

 そのためには、まず自分の目の状態を知ることが大切だそうです。眼科の受診や人間ドックなどで実施している眼科検診で視力や異常の有無を調べられます。手軽に自己チェックしたいならウェブ上で行える「アイフレイルチェックリスト」(アイフレイル啓発公式サイト参照)もあります。もし、アイフレイルに当てはまったら、面倒がらずに一度眼科医に診てもらうと安心です。

「目の痛みや疲れ、見えにくいといった症状の原因はさまざまです。眼精疲労だけかもしれないし、ドライアイ、炎症、白内障などの病気かもしれません」(加藤副会長)

 なかには進行するまで気がつかない緑内障、糖尿病網膜症など失明の危険がある病気が隠れている可能性もあるそうです。深刻な事態を避けるにはアイフレイル対策が重要なのです。

 さらに、目を酷使するデジタル社会では老眼の発現が早まるといわれています。

 アイフレイル一歩手前の「プレアイフレイル」状態のうちから対策をとることも目の健康維持につながります。

「目の疲れや見えにくさの原因がメガネにある場合も少なくありません。適切なメガネに替えただけで症状が改善することもあります。見る環境ごとにメガネを替えるとさらに目が楽になります」(加藤副会長)

 たとえば、外出用や運転用、仕事(パソコン)用、ゴルフなどアウトドア用……と、見る距離によってメガネを替えるといいそうです。ちなみに加藤副会長は6種類のメガネを使い分けているそうです。

 デジタル時代の健康管理はまず目から始まるといってもいいでしょう。

(医療ジャーナリスト・油井香代子)

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