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梅宮アンナさんが告白…特殊な乳がん発見に役立つセルフチェック【Dr.中川 がんサバイバーの知恵】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月17日 9時26分

梅宮アンナさんが告白…特殊な乳がん発見に役立つセルフチェック【Dr.中川 がんサバイバーの知恵】

梅宮アンナ(C)日刊ゲンダイ

【Dr.中川 がんサバイバーの知恵】

 タレントの梅宮アンナさん(51)の告白が話題を呼んでいます。自らのSNSで乳がんのひとつ、浸潤性小葉がんのステージ3Aであることを語ったものです。すでに抗がん剤治療を始めていて、その副作用で微熱が出たり、髪の毛が抜けたりしているといいます。今回は、一般の方には耳慣れない、このがんを紹介しましょう。

 小葉は母乳を作る細胞からできていて、母乳は乳管を通って、最終的に乳頭につながります。乳がんは、多くが乳管で発生します。しかし、梅宮さんが患ったのは小葉で発生したもので、さらに小葉の膜の外にがんが広がっている状態が浸潤性小葉がんです。

 浸潤性小葉がんは乳がん全体の5%と乳がんとしてはまれながんで、特殊型乳がんに分類されます。ただ、最近は増加傾向ですから、梅宮さんのケースは人ごとではありません。

 梅宮さんは、今は亡き父の辰夫さんが何度もがんを乗り越えた姿を見てきたことで、自分もある程度がんになることを覚悟していたそうです。それで人間ドックも乳がん検診も欠かさず、「PETをやるべきだった」と悔やんでいます。

 5月にシャワーを浴びているときに右の乳房が「1カップくらい小さくなっていた」ことに気づいて受診。エコーやマンモグラフィー、MRI、CTでも異常が見つからず、先月上旬に組織検査の結果で診断されたそうです。

 東洋人を含む日本人女性はマンモグラフィーでチェックしにくいことがあります。こうしたタイプや進行が速いタイプをなるべく早く見つけるには、月1回程度のセルフチェックが必要です。梅宮さんのケースでも、乳房がこれだけ縮小するまでにセルフチェックをしていれば何らかの変化を実感できたでしょう。ですから、男性読者の皆さんはパートナーにセルフチェックを勧めてほしいと思います。

 気になるのは、治療やその効果でしょう。まれなタイプで一方に多発したり、同時に両方に発生したりすることはあるものの、遺伝子タイプの分析によってホルモン療法が効きやすいなどの特徴を持つケースが多く、乳管由来の乳がんと比べて予後は良い傾向です。

 注意したいのは、転移や再発でしょう。乳管由来の乳がんは骨転移が最も多いのですが、浸潤性小葉がんでは消化管や卵巣、子宮など特殊なところに転移することが少なくありません。一般にがん治療は5年で区切りをつけますが、このタイプは診断から10年以上経って再発することもあり、長期的なフォローも重要です。

(中川恵一/東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授)

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