1日で4451円下落…8月5日の歴史的な株暴落の裏で何が起こっていたのか【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月18日 9時26分
大暴落の原因は…(C)日刊ゲンダイ
【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】#131
日経平均株価は3万8000円台まで回復し、市場は少しずつ落ち着きを取り戻しつつあるものの、依然として2番底を警戒する声が強い。
それだけ8月5日の大暴落がすごかったということだが、それにしても、なぜ1日で4451円(12.4%)もの歴史的な下落が生じたのだろうか。裏側のメカニズムはどうなっていたのか。
今回の大暴落の原因は、①米国の景気後退懸念②前週後半の米ハイテク株の続落③7月31日の日銀の追加利上げ④ドル安・円高の進行と解説されている。
しかし、それだけで4000円もの“瞬間的”大暴落は起きない。テクニカルな要因が加わったことが大きい。
まず、再確認しておきたいことは、日本株市場のイビツさだ。海外投資家のシェアが高く、2023年通年でみた場合、現物取引における海外投資家のシェアは約60%、約1199兆円。先物取引となるとシェアは約75%に上昇し、金額は2887兆円にも達している。つまり、海外投資家に命運を握られているのが日本市場なのである。
今回の大暴落は、この海外投資家(主にヘッジファンドなどの投機筋)の主導だった。前記の4つの材料から「ここは絶好の売り場」と判断した彼らは、まとまった金額で先物を売り、先物市場では売買が一時中断される「サーキットブレーカー」が何度も発動されたものだ。
さらに、円キャリー取引の解消により、一気にドルが売られたことから、外為市場では朝方の1ドル=145円台から一時141円台まで急速に円高が進行。輸出関連の現物株が売り浴びせられる事態になった。これが第2幕だ。
そして第3幕は、現物株の急落を受けて、これまでに積み上がった個人投資家の「信用買い残」(7月26日で4.9兆円と約18年ぶりの高水準だった)が整理を迫られ、相場の下落をさらに加速させた。また、株式売買の自動システムを保有するファンドから、保有株の値下がりを回避する機械的な売りも大量に発生し、日本市場は「売りが売りを呼ぶ」展開になってしまったのである。
こうしてみると、日本の株市場は、力強いように見えて、実はもろく危なっかしいのだ。常にその点を忘れないでほしい。(丸)
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