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「蕁麻疹」は治る病気…良くならない人がチェックすべきこと

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月20日 9時26分

「蕁麻疹」は治る病気…良くならない人がチェックすべきこと

治療を変えれば治るかも…

■新薬なら重症例でも8~9割が改善

 蕁麻疹は治らない、かゆみを耐えるしかないと思っていないだろうか? しかし、治療を変えれば劇的な変化を得られるかもしれない。

 日大板橋病院皮膚科の葉山惟大科長のもとには、「治療を受けても蕁麻疹が良くならない」という患者が遠方からもやって来る。

「近年、新たなメカニズムの蕁麻疹の薬が登場し、重症患者でも8~9割の方に効果が見られたとの研究結果もあります」(葉山科長=以下同)

「新たなメカニズムの薬」とは、2017年に慢性特発性蕁麻疹に保険適用となったゾレア(一般名オマリズマブ)だ。

 アレルギー症状は、免疫に関わるタンパク質の一種IgEがマスト細胞と結合することで起こる。これによりマスト細胞が活性化し、ヒスタミンなどの炎症物質が放出されるのだ。ゾレアは、IgEとマスト細胞が結合するのを阻止する。

「イタリアの後ろ向き研究では、慢性特発性蕁麻疹の重症患者470例のうち、全く効果が見られなかったのは1割。私の臨床データでも同様の結果でした。オマリズマブは月1回の注射薬ですが、コントロール良好になれば注射の間隔を空けることが可能。6週に1回、8週に1回となって、最終的にはゾレアをやめられるようになる患者さんもいます。ただ、効果が高いゆえに、『ぶり返すのが怖い』と間隔を空けてでも使い続ける方も少なくありません」

 今年2月には、新たにデュピクセント(一般名デュピルマブ)が慢性特発性蕁麻疹の薬として承認された。デュピクセントは、アレルギーに関わる炎症物質「IL-4」「IL-13」の働きを阻害する。これらの物質は蕁麻疹に深く関わると考えられている。

「承認されたばかりなので、どういう患者さんに効くのか手探り状態。現在はゾレアがメインで、ゾレアが効かなかった患者さんに対し、デュピクセントに切り替えるかを検討する」

■抗ヒスタミン薬の飲み方を間違えていないか

 蕁麻疹には、食物アレルギー、日光アレルギー、寒冷アレルギーなど特定の刺激や負荷に対して症状が出る「刺激誘発型」と、文中にも何度か出てきた「特発性蕁麻疹」がある。特発性蕁麻疹は原因不明で、蕁麻疹全体の7割を占める。この原因不明の蕁麻疹が6週間以上続く場合を、慢性特発性蕁麻疹という。

 慢性特発性蕁麻疹の治療は、段階的に行われる。前述のゾレアやデュピクセントは、ステップ3の治療。まずステップ1では、抗ヒスタミンの服用。眠気が心配になるかもしれないが、眠気が少ない第2世代を用いる。

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