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パリ五輪を経て松山英樹は円熟味を増した 大差リードから窮地、最後は逆転。こんな勝ち方は記憶にない(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月21日 9時26分

パリ五輪を経て松山英樹は円熟味を増した 大差リードから窮地、最後は逆転。こんな勝ち方は記憶にない(羽川豊)

「プレーオフシリーズで優勝することはずっと目標だった」という松山英樹(C)共同通信社

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 米ツアーの年間王者を決めるプレーオフシリーズ第1戦「フェデックス・セントジュード選手権」最終日の松山英樹は、2位に5打差の首位からスタート。勝って当然という状況の中、11番まで5打差を守っていましたが、12番パー4の3パットボギーから突然崩れ出し、15番のダブルボギーで2位へ後退。勝利の女神に見放されたかと思いきや、17番のバーディーで再びトップに立つと、18番も攻めのゴルフでバーディーを奪い、最後は2位に2打差をつけての優勝でした。

 ゴルフはどれだけリードしていても、18番グリーンに上がるまでは安心できません。ひとつのボギーで試合の流れが変わることはよくあるし、下位から猛追されていれば「負けられない戦い」の重圧も増す。平常心を失えば100ヤードの距離でもグリーンに乗らないのがゴルフの怖さです。

 この日の松山は、トップの座を譲った直後の16番、バーディーが計算できるパー5で得意のアプローチをミスしてパーでした。ここで開き直ったというか、「これじゃダメだ」と闘争心に再点火したのではないか。続く17番は8メートルのバーディーパットを沈めトップの座を奪い返し、左サイドに池が広がる18番の第1打は右サイドへ逃げずにフェアウエーへ運び、第2打もドローボールで果敢にピンを攻め約1.5メートルにピタリ。18番の攻撃的なプレーに、これまでとは違う松山を感じました。

 これで米ツアー通算10勝目ですが、大差リードから窮地に陥り、最後は逆転。こんなドキドキした勝ち方は記憶にありません。

 この強さは、東京、パリの五輪2大会の経験があったからだと思うのです。東京4位で無念だった松山は、周囲が驚くほどパリで手にした銅メダルを喜んでいたそうです。国旗を背負って戦う重みや雰囲気、競技の意義は4大メジャーとは違い、メダルの感動は想像以上だったのでしょう。技術が優れている者でも、感動のドラマを経験することで物の見方や心の持ち方が変わることはよくあります。松山にとって、それは2度の五輪と銅メダルだったように思います。そうだとすれば、それも「五輪の魔物」です。

 円熟味を増した松山は、これまで以上にライバルたちを脅かす存在になるはずです。

(羽川豊/プロゴルファー)

  ◇  ◇  ◇

 松山のように海外を主戦場とする男子選手がファンを沸かせる一方で、国内男子ツアーの人気低迷ぶりは悲惨の一言に尽きる。日程は虫食い状態で録画放送がはびこり、コースは低レベル。なぜこんな事態に陥ったのか。いったい誰が「元凶」なのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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