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「薬剤管理サマリー」の活用はポリファーマシーの減少につながる【クスリ社会を正しく暮らす】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月21日 9時26分

「薬剤管理サマリー」の活用はポリファーマシーの減少につながる【クスリ社会を正しく暮らす】

写真はイメージ

【クスリ社会を正しく暮らす】

 最近、「かかりつけ薬局」や「かかりつけ薬剤師」を持たれる方が増えてきています。かかりつけの薬剤師は、その患者さんが多くの医療機関で出してもらっている薬をすべて把握し、飲み合わせがないか、副作用が出ていないかなどを継続的に確認します。また、市販薬やサプリメントなどについて、いつでも相談できる頼れる存在です。

 かかりつけ薬剤師は、お薬手帳などで患者さんが使っている薬を確認します。では、その患者さんが入院された場合、入院中にどんな薬が出ていたのかについてはどうやって確認するのでしょうか?

 その際に活用されているのが「薬剤管理サマリー」です。病院勤務の薬剤師は、患者さんが入院中に追加されたり中止された薬の情報や、この薬は症状がなくなったら中止しても大丈夫、といったフォローアップ情報を薬剤管理サマリーとして退院時に発行しています。令和2年度診療報酬改定では、「退院時薬剤情報連携加算」が新設され、保険薬局への情報提供文書として日本病院薬剤師会作成の薬剤管理サマリーが評価されています。

 本来、薬剤管理サマリーは、病院から保険薬局へ向けて発行するものなのですが、最近は保険薬局への伝達だけにとどまらず、病院から老健施設、病院から診療所など、薬の服用状況の情報伝達手段としてさまざまな場面で活用されるようになりました。

 医薬品を多剤服用しており、かつ害が生じているポリファーマシーに対し、入院中に薬の調整を行うことはよくあります。しかし退院後、もともとかかっていた診療所で、再びポリファーマシー状態に戻ってしまうケースは少なくありません。医療関係者の間では、これを「服用薬の先祖返り」などと呼んだりもしています。

 薬剤管理サマリーによって、さらに医薬品の情報がしっかり伝達・共有されるようになれば、こうした“先祖返り”のような事例が少しでも減るのではないかと期待しています。

(荒川隆之/薬剤師)

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