今こそ正しい実践的な性教育が必要…高校生に向け性教育を行う男子高校生3人組「セクテル」
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月21日 9時26分
「セクテル」のメンバー(提供写真)
日本の性教育はタブーが多く、専門家からは「非常に遅れている」と指摘されている。そんな中、昨年から高校生を対象に性教育を行っている高校生の団体が「セクテル」だ。メンバーは、公文国際学園高等部3年の瀬戸真明空さん、福田大治郎さん、本久碧さん。
◇ ◇ ◇
タブーが多い性教育の背景にあるのは「寝た子を起こすな」。意味するのは「性教育で性の知識が広まると性の乱れを招く」だ。
セクテルの3人が言う。
「授業での性教育は古い情報も多く、スライドを多用し、僕たちが関心を持つような内容ではない。穴埋めテストをクリアするためプリントの内容を試験前に暗記するだけで、『自分ごと』の知識として身につきません。一方で、今は低年齢から使える子供向けのマッチングアプリが複数あり、ごく簡単に全く知らない人とつながれる。むしろ性教育の必要性が高まっているのでは」
性教育に関心を持つきっかけとなったのは、通称「コンドームの達人」として性に関する情報発信を行う岩室紳也医師の学内での特別講演だったという。
最初は寝る態勢の生徒が大半だったが、岩室医師の失敗談も含めたエピソード満載の話に、皆がどんどん引き込まれていった。コンドームのつけ方では、瀬戸さんはアメリカ人の父親から教わっていたものの、それが微妙にポイントを外したものだと知り、「将来ミスを犯していたかも」と衝撃を受けた。瀬戸さんが、福田さんと本久さんに声をかけ、セクテルを結成した。
「友達の中には『安全日の性行為なら100%妊娠しない』と思い込んでいる人もいるし、『女性は潮吹きする』という話を信じ込んでいたという自分たちの経験談もある。よく『(若者は)アダルトビデオを見て性行為の知識を得る』というが、アダルトビデオの情報が間違っていることは結構皆知っている。でも、そういうことをTikTokやX、インスタグラムといったSNSで知るため、今度はSNSの情報は間違っていないと、そのまま信じ込んでしまう。知らないこと、間違って認識していることは多く、そもそも知らないということに無自覚」
年齢が近いもの同士だからこそのメリットがある
セクテルの活動として、医療機関などが運営するHP・文献などをあたり信頼のおける情報をSNSで発信するほか、ワークショップの開催、イベント登壇、中高生探究コンテストへの応募(1857件中34件のセミファイナリストに選出)、岩室医師ら性教育の専門家との対談を実施。
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