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皮膚を見れば病気が分かる…クモの巣のような赤い発疹は肝臓トラブルのサイン

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月21日 9時26分

皮膚を見れば病気が分かる…クモの巣のような赤い発疹は肝臓トラブルのサイン

すい臓がんでは表皮が赤くただれる

 内臓の病気が皮膚症状をもたらす状態を、医学的に「デルマドローム」と呼ぶ。「皮膚は内臓の鏡」といわれ、皮膚の状態から全身の病気が診断されるケースも少なくない。臓器の中でも消化器で起こりやすい皮膚症状について、東邦大学医療センター佐倉病院皮膚科教授の樋口哲也氏に聞いた。

 重度の肝機能障害で生じる皮膚症状として、真っ先に思い浮かぶのは「黄疸」だろう。血液中のビリルビンの増加により全身の皮膚や眼球が黄色く染まるのが特徴で、肝疾患において最も有名なデルマドロームとされている。

 肝硬変や肝臓がんの末期症状として見られる黄疸だが、それに比べて早い段階で見られる皮膚病変もあるという。

「肝機能が低下すると、エストロゲンの代謝異常が起こり血液中のエストロゲンが増加します。エストロゲンが持つ血管拡張作用により毛細血管が広がると、手のひらから指先にかけて赤くなる『手掌紅斑』が見られます。ほかにも、顔や首、胸といった上半身にクモの巣のような赤い発疹ができる『クモ状血管腫』も、肝機能の低下で起こるデルマドロームとされています」

 消化器疾患で見られるデルマドロームは他にもある。グルカゴンの異常な増加により、膵臓に腫瘍ができる「グルカゴノーマ(膵臓がん)」では、グルカゴンの大量発生により血中のアミノ酸が低値になりやすい。

 アミノ酸の欠乏により皮膚に栄養障害が起こると、表皮が壊死して赤くただれる“びらん”や、かさぶたを伴う紅斑が顔や体幹、四肢などあらゆる部位に見られるという。

「これは『壊死性遊走性紅斑(NME)』と呼ばれ、かゆみや痛みを伴う皮膚症状を何度も繰り返すのが特徴です。病名に“遊走”と付けられているように、1カ所にできた紅斑は他の部位に移動して、皮膚病変は拡大しやすい」

 グルカゴノーマは非常にまれな病気だ。しかし、ステロイド外用薬で治療をしても皮膚症状の改善や増悪を繰り返すようであれば、皮膚科医に相談するのがベターだ。

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