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「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月21日 10時52分

「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

山本理顕氏が危機感をあらわに(C)日刊ゲンダイ

「これを『成功』させてはマズイ」──。来年4月開幕の大阪・関西万博について、そう危機感をあらわにしたのは建築家の山本理顕氏(79)。今年3月、「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞した建築界の世界的権威だ。

 山本氏は20日、都内で開かれた〈緊急シンポジウム 大阪・関西万博の迷走と建築家の退廃〉にパネリストとして出席。350億円もの巨額の予算を投じて整備中の大屋根(リング)や不透明な意思決定プロセスなどについて、建築エコノミストの森山高至氏と建築家の山口隆氏を交えた講演・議論は約4時間に及んだ。

■「維新の会はあまりに未熟」

 圧巻だったのが、山本氏の歯に衣着せぬ物言いだ。〈独裁政権による大阪・関西万博〉と題した基調講演で、万博推進の中心にいる「維新の会」を「政治集団としてはあまりにも未熟」「未熟というのも、『権力者が何をすべきか』を分かっているとは思えないから」とバッサリ。万博会場のデザインプロデューサーを務める藤本壮介氏を名指しして、こう続けた。

「大阪府は完全に(維新による)独裁政権で、そこで決まったことは全て実現するような状態になっている。この時、プロデューサーは『こうしたらいいんじゃないですか』ということを本来ならできるはず。しかし、藤本氏はその役割を完全に放棄しています」

 山本氏に言わせれば、建築家とは「政治権力と住民との調停役」。万博開催の主体である大阪府・市と住民との間を専門家としてつなぐはずのプロデューサーが職務放棄していると訴え、「誰が責任者なのか分からないのが最大の問題」と一刀両断にした。

リングは「パクリにもなっていない」とダメ押し

 さらに、藤本氏がデザインしたリングに関しても徹底的に批判。350億円もの巨額予算に「なぜ、こういう見積もりになるのか、設計者は根拠を全部示さなくてはなりません」と主張し、自身が過去に手掛けた事例を引き合いに出しながら、次のように喝破した。

「はこだて未来大学(の事業費)は150億円に届かずにできましたし、名古屋造形大学は150億円でした。(350億円あれば)2つもできちゃう。何の目的もないリングに350億円近いお金をかけること自体が異常です」

 さらにダメ押しのごとく、「リングがパクリである」との指摘について「パクリにもなっていない。全然なっていない」と強調。不透明な巨額費用の支出と、説明を果たさない藤本氏の無責任さを非難して「“犯罪”だと僕は思います」と語気を強め、「大阪の住民側から監査請求を出した方がいい」と繰り返した。

 東京五輪はフタを開けてみれば、主催者による犯罪の温床と化していた。果たして、万博は違うと言い切れるのか。

  ◇  ◇  ◇

●関連記事『【もっと読む】大阪万博はうっすらウンコ臭い? “腐った卵”硫化水素が流出も「対策これから」の体たらく』では、会場となる夢洲1区はタマゴが腐ったニオイがする硫化水素などが地下から発生する実態などを詳報している。

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