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首の後ろが硬くなっていたら糖尿病が進行したサイン…水虫から足の切断に至るケースも

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月22日 9時26分

首の後ろが硬くなっていたら糖尿病が進行したサイン…水虫から足の切断に至るケースも

首の後ろがガチガチなら要注意!

 悪性腫瘍や内分泌障害など、内臓の病気と関連して生じる皮膚症状を「デルマドローム」という。中でも日本人の5人に1人が罹患しているとされる糖尿病は、血糖コントロールが悪く糖尿病が進行すると、さまざまな皮膚トラブルが起こりやすい。東邦大学医療センター佐倉病院皮膚科教授の樋口哲也氏に聞いた。

 60代の男性は、以前から健康診断で血糖値が高いと指摘されていたが、仕事の忙しさから受診を後回しにしていた。ある日、入浴中に首の後ろを触ると、皮膚が木板のように硬く、指で押しても皮膚に痕が残らないことに気付き、皮膚科を受診。触診や血液検査の結果から、糖尿病によって起こる「糖尿病性浮腫性硬化症」と診断された。

「糖尿病性浮腫性硬化症は、皮膚の代謝異常により生じるデルマドロームのひとつです。首の後ろから背中にかけて皮膚が腫れてガチガチに硬くなるのが特徴で、首が回りにくいと訴える方も少なくありません。糖尿病の罹病歴が長く、血糖コントロールが悪い人に見られる傾向が高いので、治療を後回しにしている方は注意が必要です」

 ほかにも糖尿病が発見されるきっかけになりやすいデルマドロームに「環状肉芽腫」がある。リング状の硬く、隆起した赤い皮疹が全身に多発する症状が見られ、かゆみや痛みなどの自覚症状は伴わない。糖尿病患者の約20%に合併するとされ、比較的頻度が高いデルマドロームのひとつと考えられている。

「糖尿病で見られるデルマドロームはいくつもありますが、中でも最も回避しなければならないのが『糖尿病性足壊疽』でしょう」

 血糖コントロールが悪く高血糖の状態が長く続いて糖尿病神経障害を合併すると、知覚が鈍くなり足をケガしても気付きにくい。また血行障害により足の血流が悪くなると、傷を治すために必要とされる酸素や栄養が行きわたらず、短期間で壊疽を起こしかねない。

「また、高血糖自体が免疫を担う白血球の働きを悪くさせるので、病原体と闘えず細菌や真菌に感染しやすくなります。実際、糖尿病の方は水虫(足白癬)にかかりやすいといわれ、糖尿病患者のうち、約半数に足白癬が見られたとのデータも報告されています。足白癬による皮膚の傷から細菌に感染して重症化すると、最悪のケースでは足の切断を余儀なくされるので、皮膚病変を起こさないためにも、早期の血糖コントロールが重要なのです」

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