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「冬瓜」身体の熱を冷まし湿気を払う働きで夏バテ解消に威力発揮【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月23日 9時26分

「冬瓜」身体の熱を冷まし湿気を払う働きで夏バテ解消に威力発揮【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

冬瓜と鶏ひき肉の梅風味煮(提供写真)

【健康長寿に役立つ高齢薬膳】冬瓜

 猛烈な暑さが続く今年の夏。なんだか食欲がわかない、食べてもすぐお腹がいっぱいになって胃もたれする……。そんな状態が続いて栄養が不足すると、いよいよ体力が落ちて夏の暑さに打ち勝てずグッタリ……なんて悪循環に陥りかねません。

 気温が高い日が続くと、自律神経に乱れが生じます。交感神経が強く働くと、血管の収縮によって胃粘膜への血流量が減り、蠕動運動が悪化したり、胃の粘膜を保護する粘液の分泌が不足します。そのために胃の働きが低下して、食欲不振や胃のもたれといったトラブルが現れやすくなるのです。また、暑さから冷たいものを食べ過ぎたり、飲み過ぎてしまうことも胃に負担をかけてしまい不調の引き金になりがちです。

 シニアの栄養不足は、免疫力の低下や持病の悪化につながります。過酷な夏を元気に乗り切るためにも、早めの改善を図りましょう。

 中医学において、夏の蒸し暑さによって負担がかかりやすいのは「胃」と考えます。食欲不振や胃もたれといった不調を起こしやすくなり、まさに「胃バテ」の状態になってしまうのです。

 中医学では、胃は「脾」と呼ばれる臓器と連動していると考えます。脾は、飲食物の消化吸収をつかさどる臓器。胃で消化された飲食物は脾に運ばれ、人間のエネルギー源である気を生み出します。気の不足は、だるい、やる気がないといった状態を引き起こします。つまり、胃が健やかであってこそ、「健康な身体」を維持できるのです。

 それでなくても、夏は汗をかくことで気も一緒に排出され、それが「夏バテ」の大きな原因になります。夏は、胃の果たす役割が極めて大きいのです。

 食欲不振の改善には、身体にこもった余分な熱を冷まし、体内の湿気や過剰摂取した水分を出す利尿作用がある食材を取り入れて、胃の健全な働きにつなげることが大切です。

 おすすめは冬瓜。身体の熱を冷まし、湿気を払う働きがあり、食欲不振だけでなく夏バテ全般に威力を発揮します。

 冬瓜は水分を排出する作用が極めて高い食材で、皮と種は利尿のための生薬としても使われているほど、その効能は大。むくみや膀胱炎、尿道炎の改善にも大いに役立ちます。薬効を十分に活かすには、実を煮たり、スープの具として使うときに、カットした皮やわたの部分も一緒に煮込むこと。より利尿作用が高まります。

 また冬瓜は、水分代謝を高めると同時に、身体に水分が不足しているときには潤いを補うという「マルチタスク」な野菜です。喉の渇きや糖尿病にも威力を発揮します。 冬瓜の夏場の食欲不振改善効果を高めるには、脾の働きをサポートする食材も取り入れるとより効果的です。鶏肉、いも類、豆類、きのこ類がおすすめです。また同じく食欲不振の改善に役立つ、梅干し、しそ、パクチーなども併せて取り入れるとよいでしょう。

■冬瓜高齢薬膳レシピ

冬瓜と鶏ひき肉の梅風味煮

 冬瓜と、脾の働きを高める鶏ひき肉、食欲不振によい梅干し、青じそを組み合うわせたレシピ。あっさり優しい味わいの冬瓜に、梅干しや青じそのさわやかな風味が加わり、暑い日にも食が進む味わいです。また、だしは水分代謝を高める昆布を使うとより効果的です。

【材料】2人分
●冬瓜 1/8個(約500g)
●鶏ひき肉 150g
●昆布だし 2カップ
●酒 大さじ2
●梅干し 2~3個
●青じそ 4枚
●A(みりん=大さじ1、しょうゆ=小さじ1)
●塩 適量

【作り方】
 鍋に鶏ひき肉を入れ、酒を振り、菜箸などでポロポロになるまで炒める。昆布だしを加えて熱し、アクを取る。皮をむいて食べやすく切った冬瓜、ちぎった梅干し、Aを加えて15分煮て、塩で味を調える。器に盛り、千切りにした青じそをのせる。

(池田陽子/薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト)

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