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天童よしみは歌い始めると「大阪のオモロい、ちっちゃいおばちゃん」から一変していた(本多正識)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月24日 9時26分

天童よしみは歌い始めると「大阪のオモロい、ちっちゃいおばちゃん」から一変していた(本多正識)

天童よしみ(C)日刊ゲンダイ

【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#206

 天童よしみの巻

  ◇  ◇  ◇

 ♪なめたらあかん~のCMでもおなじみ、演歌の女王・天童よしみさん。初めてお会いしたのはインフルエンザの魔よけとして無料配布された「よしみちゃん人形」が話題になっていた1998年ごろでした。

 72年、五木ひろしさんや八代亜紀さんを世に送り出した「全日本歌謡選手権」(読売テレビ)の7代目グランドチャンピオンに輝きながら、85年の「道頓堀人情」までなかなかヒット曲に恵まれず、一時は引退も考えたそうです。ご本人に伺うと「両親が頑張ってみい! と励ましてくれたおかげです」と涙ぐんでおられました。思いとどまらせてくださったご両親に感謝です。

 下積み生活が長かったこともあるのでしょうが、本当に礼儀正しく、スタッフはもとより、番組観覧のお客さんにも「どっから来はったん?」「よろしゅうお願いしますね」と気さくに話しかけられる姿も印象的でした。

 子供の頃から抜群の歌唱力で「日清ちびっこのどじまん」(フジテレビ系)でも優勝し、それが縁で15歳の時にアニメ「いなかっぺ大将」の主題歌を歌われています。今はネットやYouTubeなどチャンスがどこにでもころがっている時代ですが、当時、アマチュアが人気アニメの主題歌を歌うということが、どれほど凄いことだったか、歌唱力・表現力がよほど優れていた証しにもなるでしょう。

 MCの(トミーズの)雅くんが「いなかっぺ大将、懐かしい! 聴きたいわ!」と言うと「ほな、歌いましょか」と快諾され、急きょ「大ちゃん数え唄」をマイクなしのアカペラで歌うことに。ひと声の発生練習もなく「♪1ツ他人(ひと)より力もち~」と歌い出し、「大阪のオモロい、ちっちゃいおばちゃん」とは全く違う“歌手・天童よしみ”に変わっていました。小柄な体からは信じられない声量とど迫力。「昔、テレビで聴いた時よりすごいやん!」と感激しながらワンコーラスを聴き終えました。あの時「やっぱりホンマもんは違う」と圧倒されたことを天童さんを拝見するたびに思い出します。

 子供時代からのど自慢荒らしで、イベントや番組の決勝で何度も同年代の上沼恵美子さんと対戦されていたそうで、「上沼さん、メチャメチャうまかったですよ! こんなうまい子おるんや!」と持ち上げて「けど私のほうが勝ってました」と関西人らしく、きっちりオチをつけてらっしゃいました。

 最近はバラエティーでも「大阪のおばちゃん」キャラを前面に活躍されていますが、圧倒的な歌唱力は衰えず、ますます迫力を増していらっしゃるような気さえする「プロの凄さ」を見せつけてくださる存在です。これからも長く素晴らしい歌声を聴かせていただきたいと思います。

(本多正識/漫才作家)

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