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「ザクロ」には抗酸化物質が豊富…関節炎に悩む人は夜に食べたい【時間栄養学的「気になる食品」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月26日 9時26分

「ザクロ」には抗酸化物質が豊富…関節炎に悩む人は夜に食べたい【時間栄養学的「気になる食品」】

ザクロ(提供写真)

【時間栄養学的「気になる食品」】ザクロ

 古代から人類に愛されてきたザクロの歴史は何千年にもわたります。原産地はイランからインド北部にかけての地域で、紀元前3000年頃から栽培が始まったそうです。

 ラテン語の「granatum」(種がたくさんある)に由来し、神聖な果実ともされ、古代エジプトの墓には、死者が来世でも楽しめるようにと、ザクロが供えられていた記録があるなど、宗教的な儀式や医療目的で用いられてきました。

 また、ギリシャ神話では、冥界の神ハデスが冥府の女王ペルセポネにザクロの種を食べさせたという物語もあり、ザクロはしばしば再生や永遠の象徴とされていたそうです。日本には平安時代に中国から伝わったのち、観賞用や薬用として重宝され、江戸時代には庭園などに植えられるようになりました。

 栄養価においても、果肉にはビタミンCやビタミンK、葉酸、食物繊維、抗酸化物質であるポリフェノールも多く含まれています。これらの栄養素は、免疫力の向上や血圧の調整、心臓病のリスク軽減に寄与する可能性があります。たとえば、ザクロジュースを1日50ml摂取した被験者において、1年後に頸動脈の動脈硬化が約30%減少したことが報告されています。

 また、関節炎の患者にザクロエキスを摂取させると、痛みや炎症の指標が減少したことも確認されています。これは、ザクロに含まれる抗酸化物質が炎症を引き起こす酵素の働きを抑制するためと考えられています。

 さらに、抗がん作用に関する研究も進められています。ザクロエキスが前立腺がんの細胞の増殖を抑制し、アポトーシス(細胞死)を誘導することが示されました。また、乳がんや結腸がんの予防効果についても、ザクロポリフェノールが有効である可能性が指摘されています。

 その他にもこのポリフェノールは、老化防止や美肌効果も期待できることから、現代でも美容や健康を意識した食生活に取り入れるべく注目されています。

 ザクロをいつ食べたら良いかの詳しいエビデンスはまだ不足している状態ではありますが、関節炎などは朝ひどくなることがわかっていますので、夜食べておくことで予防ができるかもしれません。また、強い抗酸化作用は朝食べることで、日差しから肌を守ることにもつながるでしょう。

 夜は糖質の少ないサプリで、朝はジュースで……といった取り方も良いかもしれませんね。目的に応じて食べてみてはいかがでしょうか。

(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)

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