1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「乱視」を放置してはいけない…軽くても目の疲れや見間違いを招く

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月27日 9時26分

「乱視」を放置してはいけない…軽くても目の疲れや見間違いを招く

写真はイメージ

 眼精疲労で悩んでいる場合、「乱視」が関係しているかも。眼精疲労で悩んでいた女性は、原因はパソコンやスマホの見過ぎだと考えていたが、たまたま眼科で検査をしたら軽い乱視があることが判明。乱視用のコンタクトレンズに替えたところ、不調が軽減したという。

  ◇  ◇  ◇

 乱視は、角膜や水晶体の歪みによって光の焦点が乱れている状態だ。近視、遠視と何が違うのか?

「近視は遠くがボケて見え、遠視は近くがボケる。一方、乱視は遠くにも近くにもピントが一点に合いません」(大阪大学眼科学教室・高静花准教授)

「二重に見える」「ブレて見える」「ぼやける」「光がにじむ」「夜に見えにくくなる」といった症状が一般的だが、この状態が長らく続いていて慣れてしまっていると、違和感を覚えなくなっている可能性がある。しかし無自覚であっても乱視で見えづらさが生じているので、目に負担がかかり眼精疲労を起こし、首・肩の緊張から来る凝りや頭痛を招く。

■専用のコンタクトレンズがある

「乱視は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できますが、近視・遠視用のものとはレンズが異なります。近視・遠視は球面レンズ、乱視は円柱レンズです」(高准教授)

 球面レンズは、レンズがカーブを描いている。円柱レンズは、円柱を立てた場合、縦方向に垂直に切り取った形状のもので、凹型、凸型がある。近視、遠視、乱視が入り交じっている場合、その人の目の状態に応じて球面レンズ、円柱レンズを組み合わせることも少なくない。ただ、コンタクトレンズでは、通常はまばたきをするとくるくる回るようになっているが、乱視用のコンタクトレンズでは、まばたきをしても動かない仕組みとなっている。

 眼鏡とコンタクトレンズを使い分けている人も多いだろうが、眼鏡は比較的乱視用が取り入れられているのに対し、乱視用コンタクトレンズの普及率に関しては、日本は高くない。

「過去20年で乱視用コンタクトレンズの普及率はあまり増えていません。近視・遠視用の球面レンズでも視力に関してはある程度満足されること、乱視用レンズの装用感がよくないと考えている人が少なからずいることなどが挙げられます。しかし海外の研究では、『乱視用コンタクトレンズに替えると以前より明らかにくっきり見えたと答えた人が多い』『軽い乱視の人でも、球面レンズのほうが乱視用レンズより目が疲れる』といった報告があります」(高准教授)

 日本アルコン株式会社ビジョンケア事業本部学術部部長の五十嵐良広さんは「最近のある国際眼科学会で、弱い乱視がある人がスマートフォンで文章を2分間読んだ場合、乱視用コンタクトレンズで乱視を矯正しないと読み間違いが多くなるという研究が発表されました。弱い乱視を矯正しないことで、情報を正確にキャッチできない可能性が示唆されたのです。デジタル機器のない生活は考えられない今、デジタル眼精疲労対策としても乱視をしっかり矯正することは重要」と指摘。

「乱視用コンタクトレンズの装着感がよくない」という点については、現在は変わってきているという。

「かつては、レンズが目の上で回転しないように単にレンズ下方が分厚く作られていたため、装着感がいまひとつよくなかった面がありました。以前の経験から、『球面レンズである程度見えているなら、そのままでいいのでは』と考える眼科の先生もいらっしゃるように思います。しかし技術の進歩で、『乱視用コンタクトレンズだから装着がよくない』といった声は少なくなっています」(五十嵐さん)

 どう見えるかは、QOL(生活の質)に直結する。「軽い乱視がありますね」などと眼科や眼鏡店で指摘されたことがある人は、乱視に合った対策を。

 乱視かどうかわからないが何らかの不具合を感じている人は、一度眼科でチェックを。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください