停車中の車に乗り込み運転手の鼻をガツン！ 真夏の夜に迫りくる全裸男の恐怖

警察官を殴ったこと以外は「記憶にない」と供述…（写真はイメージ）／（Ｃ）日刊ゲンダイ

　真夏の深夜、被害男性は突然、見知らぬ男に全裸姿で追い回され、背筋が凍る思いだったに違いない。

　愛媛県今治市の店舗駐車場に停車中の乗用車に乗り込み、運転手の男性（19）の顔を殴って鼻を折るなどの大ケガをさせたとして、同市に住む作業員の中岡零治容疑者（21）が26日、傷害の疑いで県警今治署に再逮捕された。

　25日午前1時過ぎ、男性は県道で信号待ちをしていた。前方の車が、何かをよけるように走行していたため、「何やろうな」と思っていたら、左前方から全裸姿の中岡が容疑者歩いて車に向かってきた。

　中岡容疑者は手でサイドミラーを折り曲げ、車にドーンとぶつかってきたため、危険を感じた男性は車をバックさせて近くの店舗駐車場に避難した。

　男性はすぐに車から降り、「全裸の男にミラーを割られた」と通報。そうこうしているうちに中岡容疑者が男性の元に迫り、全裸のまま無言で車の運転席に乗り込んだ。男性は「盗まれたらいかん」と思い、慌てて助手席のドアを開け、中岡容疑者を制止しようとした瞬間、鼻をガツンとブン殴られた。

「このままではやられる」と恐怖を覚え、車を諦め、車外に脱出。すると中岡容疑者も車から降りて、全裸のままスタスタと県道に向かって歩き出した。

■全裸のまま県道に

　約5分後、通報を受けた今治署員が現場に駆け付けると、中岡容疑者は全裸のままあおむけで大の字になり、県道に寝転がっていた。

　男性巡査部長（48）が職務質問すると、中岡容疑者はムクッと起き上がり、いきなり襲いかかってきた。攻撃をよけようとして背を向けた巡査部長の後頚部にパンチを浴びせ、その場で取り押さえられ、公務執行妨害で現行犯逮捕となった。

　調べに対し、「（警察官を）殴った」と認めたものの、それ以外のことは「記憶にない」と供述しているという。

「現場は容疑者の自宅から歩いてこられない距離ではありませんが、どういう手段を使って来たかについては捜査中です。動機も分からず、着衣も見つかっていません。靴も履かずに、裸足の状態でした。呼気からアルコールは検知されておらず、薬物を使用していた可能性も考えられます」（捜査事情通）

　暗闇の中、全裸男が裸足でヒタヒタと迫ってくる──想像しただけで怖い。