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千葉入団の渡邊雄太もメンタルがズタボロに…河村&富永に立ちはだかる超過酷なNBAの現実

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月29日 9時26分

千葉入団の渡邊雄太もメンタルがズタボロに…河村&富永に立ちはだかる超過酷なNBAの現実

渡邊雄太(C)ロイター

「一番大きな理由として、やはりメンタル的な問題がアメリカであって」

 こう切り出したのは、バスケットボール男子日本代表の渡邊雄太(29)。去る27日、Bリーグ1部「千葉ジェッツ」の入団会見で日本へのUターンを決断した理由を語った。

 渡邊は高校卒業後、米国に渡り、14年にNCAA(全米大学体育協会)1部のジョージワシントン大学に進学。卒業後にNBAのメンフィス・グリズリーズと傘下のGリーグの両方に出場できる「2ウェイ契約」で入団。しかし、いつ解雇されるかわからない日々が続いたうえ、他の若手との熾烈なレギュラー争いに次第に心をすり減らしていった。今年4月のインスタライブでは、「(当時は)まともな精神状態でプレーできていた時はなかった」と振り返っている。

 昨年はサンズと2年契約を結んだものの、結果を残せなかったことで出場機会が減り、今年2月に古巣のメンフィスへトレード。移籍して2戦目に出場し、好感触を持った渡邊はその2日後の試合に向けて準備していたが、試合前のチームミーティング5分前にコーチに呼ばれ、「雄太、この試合は出ないよ」と告げられたという。

「試合に出られないのは当たり前でしたし、ショックを受けるはずないのに、その言葉が自分に効いた。恥ずかしい話、メンフィスのホテルに戻ってから自分でも引くくらい泣いて、自分の感情がおかしくなって、体中の水分が全部出たくらい泣いた。泣き終わってすっきりしたときに、NBAはここまでにして、やりたい環境でやるのがいいのかなと思いました」

 帰国を決意したにもかかわらず、むしろ精神状態は悪化したという。アップが終わり、コートに出た瞬間、体に力が入らなくなり、「身体の筋肉が全部硬直して、全身に重りをつけているような状態」だったと回想した。シーズン後も週に数回、セラピーに通ってメンタルケアを続けたという。

 日本人で初めてNBAプレーヤーとなった田臥勇太(43)も、契約を勝ち取ったデンバー・ナゲッツで開幕直前に解雇された過去を持つ。翌年サンズに入団したが、今度は約3カ月で解雇。その翌年、ロサンゼルス・クリッパーズとの契約に至るも、再び開幕前にクビになる憂き目に遭った。

 ここ最近は、NBAの扉をこじ開けようとする日本人選手が増えてきた。レイカーズの主力を務める八村塁(26)はともかく、パリ五輪日本代表の河村勇輝(23)はグリズリーズ、富永啓生(23)はインディアナ・ペイサーズとそれぞれ「エグジビット10」契約を結び、この秋から米国に活路を見出すことになった。

 とはいえ、エグジビット10契約はあくまで最低年俸&給与無保証であり、NBAへの入口の前に立ったに過ぎない。

 開幕前のオープン戦でアピールし、まずは「2way」契約を勝ち取らなければ、NBAの舞台には立てないのだ。

 逸材と言われた渡邊でさえ、心がボロボロになるまでに打ちのめされた。河村と富永は、かくも厳しい道のりを歩むことになる。

  ◇  ◇  ◇

 本文中にもある河村らが結んだ「エグジビット10」とは、いったいどのような契約なのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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