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義足生活を快適にさせるパーツとは…摩擦を防ぎ足を保護【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月29日 9時26分

義足生活を快適にさせるパーツとは…摩擦を防ぎ足を保護【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

写真はイメージ

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#33

 病気やケガで足の切断を控える方の中には、「できるだけ足を長く残したい」と訴えるケースが少なくありません。執刀医も患者さんの希望に合わせて切断部位を考慮しようとしますが、膝下で切断する下腿切断の場合、残存肢が長いと手術をしていない足との長さの差がないため、切断した足に義足をつけると義足分の長さに違いが生じるので健側の靴底を高く加工する必要があります。

 また、大腿切断であれば膝関節より上で切断するので、失われた膝関節を補うため義足には膝継手と呼ばれるパーツが欠かせません。

 靴を履いたりトイレで用を足すなど、日常生活の中で膝を曲げる機会は多く、これらの動作をスムーズに行えるよう膝継手の上部には義足を180度回転させる「ターンテーブル」という装置が付けられています。

 しかし、装置自体に厚みがあるので、残存肢が長いとターンテーブルを組み込めない可能性があります。ですから、単純にできる限り足を長く残すのではなく、「適切な位置で切断する必要がある」のです。

 近年は、足を切断された方が快適な義足生活を送れるよう義足のパーツは日々、開発が進められています。そのひとつが、残存肢をシリコーンで覆う「シリコーンライナー」です。

 下腿切断でも大腿切断であっても義足を装着するにあたっては、「ソケット」と呼ばれる切断して残った足(切断端)を収納する筒状のパーツが欠かせません。かつては切断端をそのままソケットに差し込んでいたので、歩くたびに断面とこすれて痛みが生じやすく、身体的ストレスを抱えながら義足歩行を行っている方も多くいらっしゃいました。

 ところがシリコーンライナーの登場により、ソケット内で摩擦を防ぎ、硬いソケットから足を保護できるようになったのです。

 シリコーンライナーは清潔に保つために靴下と同じように毎日洗う必要があります。低刺激または中性のせっけんで表裏の両面を優しく洗って流水で流したら、一晩、自然乾燥させるだけです。シリコーンライナーに触れるソケットは洗う必要はなく、ソケット内部が汗でにおう場合に軽く濡れタオルなどで拭く程度で構いません。

 ですが、義足のパーツによってはホコリで汚れたり直射日光で劣化するケースがあるので、定期的に義肢装具士に義足の状態を確認してもらうといいでしょう。

▽寺門厚彦(てらかど・あつひこ)1995年聖マリアンナ医科大学卒業。2005年順天堂大学リハビリテーション医学助教を務め、06年公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンター付属診療所嘱託医。19年順天堂大学足の疾患センター装具外来を担当。

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