1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

「補助金Sランク」なのにナゼ!? 海外遠征“ほぼ自腹”の謎…巨額の補助金の使い道は?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月29日 11時21分

「補助金Sランク」なのにナゼ!? 海外遠征“ほぼ自腹”の謎…巨額の補助金の使い道は?

パリ五輪フェンシング女子フルーレ団体銅メダルの宮脇花綸(C)ロイター

「次のオリンピックはクイズ出なくても資金足りますか?」

 ファンからこんな質問を受けるアスリートはなかなかいないだろう。

 問いを投げかけられたのはフェンシング女子日本代表の宮脇花綸(27)。パリ五輪では女子フルーレ団体で銅メダルを獲得した。

「クイズ」とは、宮脇が2022年10月に出演したテレビ番組「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日本テレビ系)のこと。全問正解を果たし、賞金300万円をゲットしたのだが、それにはこんな裏話があるからだ。

 この2年前、東京五輪代表に落選し、22年には所属企業との契約が終了。“無職”になったことで生活が困窮し、海外遠征費用を稼ぐため、自ら番組に応募したことが注目された。

 番組出演を機に、現在所属する三菱電機への就職が決まり、現在は会社に遠征費を負担してもらっているという。そもそもフェンシング協会は負担してくれないのか。

 フェンシングは昨年5月にスポーツ庁が発表した重点支援競技に入り、柔道やレスリング、体操と並んで最上位のSランクに選出。そのため強化費も増額され、協会は年間3億円以上の補助金を手にしているのだ。

 しかし、宮脇は冒頭のファンからの質問に「海外8大会はほぼ自腹です。私は会社に出してもらっていますが……なるべく安い航空券など自己手配しています。特に学生やプロ型の選手には大きな負担です」と回答している。では、巨額の補助金はどこに流れているのか。

「ナショナルチームの場合、遠征費に充てられているのは確かですが、約半分ほどは選手側が負担していると聞きます。企業に所属していれば、それを会社が負担してくれるのですが、以前の宮脇選手のようなフリーの状態だと、完全な自腹になる。フェンシングは国外での実戦経験や合宿が重要なため、必然的に海外滞在が増えます。一方で、東京五輪に向けて2019年にNTC(ナショナルトレーニングセンター)に造られた練習場のコストが年間1億7000万円以上かかるそうで、その費用は協会が全額負担。それだけでも補助金の半分以上が消える計算になる。それに加え、パリ五輪でも注目された優秀なコーチ陣を海外から招聘しているため、彼らのギャラもかかる。『Sランク』でも選手に回す余裕はない」(スポーツライター)

 アミューズメント企業「ネクサス」が所属選手に報奨金として、パリ五輪男子フルーレ団体で金メダルの敷根崇裕(26)と永野雄大(25)にそれぞれ1億円。エペ団体で銀メダルの見延和靖(37)に5000万円を贈る大盤振る舞いをしているが、懐が潤う選手はわずか。協会は東京五輪で男子エペ団体が初の金メダルに輝いた後もスポンサーはなかなか集まらず、資金の捻出に苦戦したというから、4年後も財布の中身は期待できそうにない。

  ◇  ◇  ◇

 記事本文中にも登場する海外から招聘した「優秀なコーチ陣」は、勝負弱かった日本をいかにして鍛えたのか。「メンタル強化策」の中身とは、いったいどのようなものか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください