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どうなる日本経済? 2024年下半期は「設備投資の先行き」がカギを握る(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月30日 9時26分

どうなる日本経済? 2024年下半期は「設備投資の先行き」がカギを握る(中西文行)

株式市場は乱高下(C)日刊ゲンダイ

【経済ニュースの核心】

 株価指数の乱高下で日銀も迷うような景気実勢となっている。下半期の景気はどうなるだろう。景気に先行する設備投資、日本政策投資銀行の大企業の設備投資動向調査によると2024年度の設備投資額は前年度比21.6%増と23年度実績の6.9%増から大幅に拡大する。80年代以降では22年度(26.8%増)に次ぎ、18年度と並ぶ高水準である。

 内訳は、製造業が前年比24.7%増、非製造業が20.0%増。業種別では、石油が46.9%増、化学が半導体・EV向け材料中心に34.1%増、非鉄金属が半導体・EV用増産で30.9%増。運輸は車両新造や空港機能拡張で21.2%増だった。

 設備投資の先行指標とされる工作機械受注はどうか。日本工作機械工業会(日工会)の7月の工作機械受注実績(確報)は前年同月比8.4%増の1239億4200万円と3カ月連続で増加も内需は同10%減と低迷していた。

■中国だけで世界全体の3割

 中国など外需が同18%増で受注額も内需の約2.5倍と牽引した。24年1~6月累計の外需地域別受注額(確報)を見ると中国だけで世界全体の3割を占めている。

 中国では旧式機械を下取りし、最新機械への置き換えを促す補助金が下支えとなっているほか、電気自動車(EV)や次世代スマートフォンへの活発投資が持続している。日工会の稲葉善治会長は「(7月の中国政府の支援強化策の発表などを受けて)この先も長期にわたる下支えが期待される」とした。

 OECDの国内総生産(GDP)は、暫定的推定では24年第2四半期のGDP成長率は前年同期比1.8%と第1四半期の1.7%からわずかに増加。G7では、米国が過去4四半期で最も高い成長率(3.1%)を、日本が最も大きな落ち込み(マイナス0.8%)を記録した。

 好景気の米国、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はジャクソンホール経済シンポジウムで「政策を調整する時が来た」と発言。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切ることをほぼ確約し、世界の主要中銀の多くも同じ金融緩和の方向にかじを切った。

 大きな例外は日本で、日本銀行は17年ぶりに金融引き締めサイクルに着手した。円高回避なら日銀も利下げに着手しよう。ただ、断続的に利下げが可能な欧米の中央銀行と異なり、実質ゼロ金利に近い日本に利下げ余地は限られ「円高」阻止も限定的か。

 大学経済学部の教授たちでさえ理解不能な株価の動き、そして国内の判然としない設備投資の先行き。米エヌビディアの決算発表(現地時間28日16時20分ごろ)やFRBが重視するPCEデフレーターの発表(同30日)を控え、大手各社の下期の設備投資計画を予想するヒントとなろう。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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