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目標を掲げてもうまくいかない人が今すぐすべき1つのこと

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月30日 9時26分

目標を掲げてもうまくいかない人が今すぐすべき1つのこと

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

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 目標を掲げたものの、思うようにうまくいかない。「異性にモテるために自分磨きをしている」「資格を取るために勉強をしている」──そうした目標があるにもかかわらず思い通りにいかない人は、目標設定を見誤っている可能性があります。

 目標を掲げることは素晴らしいことです。しかし、大切なことは具体性のある理由や、現実的なハードルを設けるといったリアリティーです。

 目標を掲げたとき、まず自分が漠然と考えているのか、あるいは明確な目標があるのか。どちらに該当するかを把握するようにしてください。具体性に欠ける大きな目標を掲げている場合は、意味がないどころか、逆効果になってしまうといわれています。

 そうならないためにお勧めしたいのが、ニューヨーク大学のエッティンゲンとゴルウィッツアーの「メンタル・コントラスティング」という考え方です。

 人間は、「目標達成のための障害を克服できる」と分かれば元気が出るし、克服できないと分かれば元気がなくなる生き物です。そのため、実現したい未来と現在の状況を比較し、どんな障害があるかを知り、実現可能性が高いものをチョイスしていくことが望ましいのです。

 分かりやすく言えば、良い未来と悪い未来を思い浮かべて比べてみて、悪い未来にならないようにするにはどうすればいいかを考えるという方法です。

 人には、体力や時間やお金など、有限な「資源」がありますから、これらを無駄なく配分し、目標の達成率を高めようというのが、「メンタル・コントラスティング」です。

 たとえば、異性にモテるために自分磨きをする。こんな目標を掲げた際に、自分がどうなりたいかを考え、そこに向けて障害と思われるものを見つけ、実現可能性が高いものを目標として定めていくという具合です。ある日突然、容姿が端麗になることはありません。しかし、服装や髪形をおしゃれにするといったハードルであれば、誰にでも可能な現実的な目標となります。そして、自分が衣服や髪形にどれくらいの予算をかけられるかを考え、可能なものを選択していく。こうした具体性を伴うハードルだからこそ、ステップアップしていきやすくなるわけです。

 悪い未来を想像すると、「これはモテないな」といったこともクリアになります。そうならないために自分の資源をどう使えばいいのかも見えてくるため、目標までリーチしやすくなりますよね。「メンタル・コントラスティング」を行うことで、「明確な目標がある」というステージをつくり出してくれるのです。

 ライデン大学のレントとエラスムス・ロッテルダム大学のスフレインの1092人の大学1年生を対象にした研究(2020年)でも、野心的な目標を設定するより手ごろな目標を設定すると、パフォーマンスが上がると報告しています。

 目標の設定の仕方にはいろいろあると思います。大切なことは、具体性を伴う目標です。そのために、自分の良い未来と悪い未来を想像し比べてみる。時間はかかるかもしれませんが、着実にあなたを成長させてくれるはずです。

(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)

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