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巨大台風が招く「気象病」…怖いのは風雨だけじゃない

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月30日 15時38分

巨大台風が招く「気象病」…怖いのは風雨だけじゃない

気圧の急激な低下はさまざまな不調を招く

 巨大台風10号の接近・上陸で日本列島は大騒ぎだ。中心気圧935ヘクトパスカルは統計史上最強クラス。上陸後、やや勢力は衰えたものの、進路にあたる地域では猛烈な風雨による被害が懸念されている。

 しかし、台風が怖いのは風雨だけではない。台風接近に伴う気圧の急激な低下はさまざまな不調を招く。いわゆる「気象病」だ。弘邦医院の林雅之院長が言う。

「気象病とは、気圧差、寒暖差、湿度によって引き起こされる不調のことですが、台風による気象病は気圧差が最も大きな要因です。頭痛、耳鳴り、めまい、倦怠感、消化器不調や古傷の痛み、スマホやパソコンなどを続けて普段から首凝りや肩凝りを自覚している人は症状がひどくなったりします。うつ症状などメンタル面にも影響します」

 人間の体で最も気圧の変化をとらえるのは耳の奥にある内耳。不順な天候や台風などで気圧の急変が内耳から脳に伝えられ、血圧や脈などを自動調整する自律神経が過剰に反応する。結果、本来のバランスが崩れて、不調を引き起こす。

「気象病は女性に多いと言われますが、それは生理でホルモンバランスが崩れやすく、自律神経が乱れやすいからです。実際、月経前症候群の女性は症状が重くなりがちといわれ、生理と気象病が重なるようだと注意が必要です」

 そもそも気圧とは空気の押す力のこと。普段は意識しないが、地上の人間は空気により普段15トンの力がかかっているとされる。気圧が1ヘクトパスカル低下すると海面が1センチ上昇するとされ、体内の60%が水分の人間の体にも気圧変化は大きな影響を及ぼす。

 通常の地上の気圧は1013ヘクトパスカル程度だが、台風の接近により12~24時間で通常の気圧から20~30ヘクトパスカル低下する場合も少なくない。

「高い空を飛ぶ飛行機内でお菓子の袋がパンパンに膨らむのを見ることがあるでしょう。それと同じで気圧が急激に下がると体は膨張します。気圧の低下が大きいということは膨らみがより大きくなるということです。このとき体液の分布も変わり、体がむくむ。血管の外側に体液が溜まり、血管内では血流障害が起きやすくなります」

■改善には漢方薬を飲んで体を動かす

 気象病は自律神経が乱れやすい人がかかりやすいため、本来は時間をかけて生活習慣や食事などを改善することが必要だ。しかし、すぐに気象病に備えたい人、短期で症状を改善したい人は、まずは耳の血流を改善するストレッチがおすすめだ。

「痛みの出ない範囲で、両側の耳たぶを横に引っ張って離したり、つかんだ耳たぶを前後に回したりすることで耳の血流を改善するのもひとつの方法です」

 むろん、全身の血流を改善するため意識して体を動かすこともプラス。手足のグーパーを繰り返したり、軽いストレッチをしたり、第二の心臓と言われるふくらはぎのマッサージも手だという。

「気象病の人はリラックスモードである副交感神経が優位になっていて、『動きたくない』という気持ちになっています。意識して動いて刺激することで交感神経を元の状態に戻すことはメンタル的にも良いと思います」

 なお、低気圧の気象病には、体内の水分バランスを整える、漢方薬の五苓散が頻用されている。

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