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兵庫パワハラ知事は百条委でも居直り…今さら不信任視野で退勢挽回狙う維新に「二重の罪」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月1日 9時26分

兵庫パワハラ知事は百条委でも居直り…今さら不信任視野で退勢挽回狙う維新に「二重の罪」

百条委員会で証人尋問に応じる斎藤元彦知事(C)共同通信社

「不快に思った人がいれば心からおわびしたい」と語る顔つきは、ちっとも謝っていなかった。パワハラやおねだりなどの疑惑を突きつけられた兵庫県の斎藤元彦知事が30日、県議会百条委員会に初めて出頭したが、相変わらず開き直った態度。後ろ盾だった日本維新の会は今さら、見切りをつけようとしているが、まず「二重の罪」を償うのが先だ。

  ◇  ◇  ◇

 出張先で公用車を降り、20メートル歩かされただけで怒鳴り散らし、業務チャットには休日・深夜を問わず指示を出す──。斎藤は県職員アンケートに記されたパワハラ内容を問われたが、「記憶にない」「ひとつひとつ覚えていない」を連発。「仕事は厳しくが私のスタイル」と居直り、2時間半に及んだ証人尋問は結局、ゼロ回答に終わった。

 斎藤は終了後「私が知事として仕事をさせていただく」と語り、重ねて辞職を否定。知事の座からテコでも動かないつもりだが、これまで静観してきた維新が「斎藤おろし」にうごめき出した。27日に共同代表の吉村・大阪府知事が辞職要求の可能性について「当然ありうる」と一転させ、維新兵庫県議団の不信任決議案提出を示唆した。

 批判噴出の大阪・関西万博がたたり、維新は首長選などで敗北続き。斎藤の存在が追い打ちをかけ、25日投開票の大阪・箕面市長選では公認の現職が初めて敗れた。しかも、ほぼダブルスコアの完敗だった。

 党勢衰退が可視化された直後の方針転換とは虫がいい。維新は自民に次ぐ兵庫県議会の第2会派。不信任案を出せば可決の公算は大だが、斎藤おろしは「二重の罪」にケジメをつけてからだ。

 1つ目の罪状はパワハラ知事の製造責任だ。維新は3年前の知事選で斎藤を推薦し、吉村と当時の松井一郎代表(前大阪市長)は共に街頭で「全力応援」。斎藤当選に寄与し、大阪府以外で初の維新系知事誕生に胸を張ったものだ。

■告発元局長のプライバシー漏洩の疑い

 2つ目は「組織的パワハラ」の疑い。発端は今年3月、元県民局長が斎藤のパワハラなどの疑惑を告発したこと。斎藤が「嘘八百」と批判すると、県の人事課は元局長の公用パソコンを押収。人事当局トップら斎藤側近の幹部を通じ、告発とは無関係の元局長の私的な情報が一部県議に漏洩した疑いが強まっている。

 元局長は7月に証人出頭が決まった百条委に対し「プライバシー権侵害」への配慮を求める文書を提出。要請の直後に自ら命を絶ち、スマホに「死をもって抗議する」とのメッセージを残した。維新県議がプライバシー情報の開示を執拗に求めたり、百条委で「元局長をつるし上げてやる」と発言していたとの証言を、既に複数の週刊誌が報じている。きのうの百条委を取材したジャーナリストの横田一氏は言う。

「仮に知事側近の県幹部、維新の県議らがプライバシーをネタに告発者を揺さぶり、死に追いやったとしたら、その罪は重い。パワハラ知事はかばうに値しないとの判断は結構ですが、不信任案の提出で斎藤氏にクビを迫る前に、維新の県議たちも共犯関係を認め、職を辞すべきです」

 維新の無反省で身勝手な「厄介払い」は許されない。

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