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都市と田舎の「ちょうどいい距離」とは…英国で15.6万人対象に調査、分析が論文に

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月1日 9時26分

都市と田舎の「ちょうどいい距離」とは…英国で15.6万人対象に調査、分析が論文に

スコット記念碑を望むエディンバラの公園でくつろぐ人々(C)iStock

【役に立つオモシロ医学論文】

 産業や生活のインフラが充実した都市部では、イノベーションや創造性が生み出される場として、人々を引きつける魅力が豊富に存在します。一方、都市部の生活は、農村部での生活と比べて自然環境に乏しく、騒音や大気汚染、治安の悪さなど、都市固有のストレス要因が存在します。

 そんな都市部と農村部における幸福度や社会・経済的な満足度の違いを検討した研究論文が、「サイエンス・アドバンシス」という科学誌の電子版に、2024年7月19日付で掲載されました。

 英国の大規模データベースを用いたこの研究では、40~69歳の15万6000人が対象となりました。データベースに登録されている研究参加者の地理的情報や心理的情報に基づき、幸福度、社会的および経済的な満足度が、都市部と農村部でどのように異なっているのかについて、統計的に解析されています。

 その結果、都市部に居住している人は、農村部に居住している人と比べて、収入が高い傾向にある一方、幸福度が低く、家族関係や友人関係、経済状況、仕事に対する満足度が低い傾向にあり、孤独を感じることが多い傾向にありました。

 また、幸福度や満足度が最大となる居住地は、都市部と農村部の中間にあり、都市中心部からの距離は都市の人口規模によって異なりました。例えば、人口が23万人のレディングでは9~12キロ離れた場所、人口が63万人のグラスゴーでは15~20キロ離れた場所、人口が880万人のロンドンでは56~74キロ離れた場所が最適な距離でした。

 論文著者らは、「都市部は、社会的な機会が豊富で、得られる収入も多い一方、生活費負担やストレス、社会的なつながりの希薄性など、心理的な幸福度を低下させる要因も多い」と考察しています。

(青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)

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