大谷は「50-50」どころか「55-55」にも現実味!《ヒリヒリする9月》初体験で上積み期待大
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月2日 11時41分
大谷翔平(C)共同通信社
ドジャース・大谷翔平(30)は小休止といったところか。
日本時間2日のダイヤモンドバックス戦は4打数無安打3三振で盗塁はなかった。チームは3-14と大敗し、連勝は4で止まった。
大谷は相手の先発右腕ファートに対し、2打席連続空振り三振に倒れるなど、バットから快音は響かず、今季11度目の1試合3三振で、3試合ぶりの無安打。前日のダ軍戦では2戦連続の44号本塁打を放ったが、「44本塁打-43盗塁」で足踏みである。
それでも、137試合「44本塁打-43盗塁」は、162試合で「52-51」ペース。「50-50」は机上の計算で射程圏だが、特筆すべきは本塁打のペースがここにきて8戦5発、4戦3発と上がっていることだ。
だとすれば「50-50」どころか、「55-55」も期待できるのではないか。
この日のド軍は同地区のライバルに大敗を喫したが、前日は初回、先頭打者の大谷からベッツ(31)、フリーマン(34)の3者連続本塁打が飛び出すなど、同地区2位のDバックスに勝利。82勝目を挙げて今季の勝ち越しが決まった。
大谷にとってチームの勝ち越しは、メジャー7年目にして初めて。エンゼルス時代の6年間、9月のモチベーションといえば個人タイトルだけ。いよいよ待ち望んだ「ヒリヒリする9月」、未体験ゾーンに突入する。
ここ5試合はオリオールズ(ア・リーグ東地区2位)、Dバックスと、プレーオフを狙うチームとの対戦で本塁打を稼いだ。
数日前にはDバックスに3ゲーム差まで詰め寄られ、負けられない試合が続く中で結果を出しているのだ。
大谷はそもそも勝負強い。
残り1カ月で盗塁をあと「12」、本塁打をもう「11」
日本ハム時代の2016年は、CSで日本人最速となる165キロをマークするなどチームの日本一に貢献。昨年のWBCでは投手として3試合に登板して2勝1セーブ、打者として全7試合に出場して23打数10安打(打率.435)、1本塁打、8打点。日本人選手では09年の松坂大輔以来となる大会MVPを獲得、日本の優勝に貢献したのは記憶に新しい。
8月は「(バットを)構えている段階で、いい未来があまり見えていない」と話したこともある。プラス思考の大谷がここまで悲観するのは珍しい。それほど調子が悪かったにもかかわらず、チームが正念場を迎えたタイミングで調子を上げ、いずれも両リーグトップとなる月間12本塁打、15盗塁と盛り返した。
残りは25試合。Dバックスを筆頭にア・リーグ中地区首位のガーディアンズ、ナ・リーグ中地区2位のカブス、同東地区2位のブレーブス、同西地区3位のパドレス……プレーオフ進出のかかったチームとの対戦が控えている。モチベーションはこれまでになくアップし、体中からアドレナリンが湧き出るのではないか。
大谷は前日の試合前にブルペン入り。昨年9月の右肘手術以来初めて、捕手を座らせた投球練習を行った。来季は投手として復帰するだけに、打者専念は今季がおそらく最後になる。来季は投手として復帰する以上、打って走ってのフル回転は球団がストップをかけるだろうし、「ヒリヒリする9月」を過ごしながら本塁打と盗塁の数で記録を作れるのは今年が最初で最後のチャンスでもある。
そんな事情を考慮しても、残り1カ月で盗塁をあと「12」、本塁打をもう「11」上積みすることは十分可能だろう。
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