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《たった1試合で決めるなんて不公平だ》大会批判したシェフラー自ら「年間王者」を証明した(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月4日 9時26分

《たった1試合で決めるなんて不公平だ》大会批判したシェフラー自ら「年間王者」を証明した(羽川豊)

S・シェフラー(C)ロイター/USA TODAY Sports

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 もっともな言い分です。

 米ツアー(PGA)の「年間王者」を決めるプレーオフシリーズ(PS)最終戦のツアー選手権は、ポイントランキング(以下ランキング)1位でスタートしたS・シェフラーが通算30アンダーで優勝。同3位からの逆転を狙った松山英樹は通算16アンダー9位でしたが、見応えのある試合でした。

 シェフラーはPS第1戦の前に、「たった1試合で年間王者を決めるなんて不公平だ」と、現在のプレーオフのあり方に苦言を呈しました。過去2年はランキング1位で最終戦を迎え、逆転負け。今季もマスターズなど6勝を挙げ、圧倒的な強さを見せました。パリ五輪はツアー競技ではないものの、ここでも金メダルを手にしました。そんなシェフラーが仮に最終戦を故障で欠場すればランキングは30位で終わったのです。

 逆に、PS第2戦を制したK・ブラッドリーのランキングは試合前はギリギリ50位。この試合が今季初勝利で、ここでの優勝により、ランキングは大きくジャンプアップし、4位で最終戦に進出。シェフラーとは4打差からのスタートでしたから、もしも逆転していれば2500万ドル(約36億円)の巨額ボーナスを受け取ったわけです。でも、ブラッドリーを「年間王者」と素直に認める選手はどれだけいたでしょうか。

「年間王者」というのは今シーズンの最多勝利者や賞金ランキングトップの方が年間の実力を反映しているし、わかりやすい。ツアーメンバーも「今季の最強選手は誰だと思う?」と聞かれてシェフラー以外の名前を挙げる者はおそらくいないでしょう。

 PSや最終戦のあり方は、遅かれ早かれ変わるとみています。それでは、今のPSにはどんな意味があるのか。

 第1戦に出場したランキング70位までの選手が50位に絞られ、第2戦でさらにふるいにかけられ30人が最終戦に進む。「最後に残った選ばれし30人で、もう1回頂点を競ってみろ」という試合だと思うのです。最高2500万ドルのボーナスは、そのためのモチベーションには十分でしょう。

 プロ野球も公式戦143試合でペナントを勝ち取ったチームが、短期決戦のクライマックスシリーズ(CS)では3位球団に負けることもある。各リーグ上位3球団が日本シリーズの切符を争うCSは、いわゆる「消化試合」は減り、ひいき球団のファンは楽しめます。一方で、「各リーグの半分が出てくるCSは公式戦優勝の価値を下げる」と、CS反対論者が少なくないそうです。

 エキサイティングな試合と「真の王者」を両立させることは難しいのです。

(羽川豊/プロゴルファー)

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