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学校薬剤師は「空気検査」で一酸化炭素や二酸化炭素の測定を行う【クスリ社会を正しく暮らす】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月4日 9時26分

学校薬剤師は「空気検査」で一酸化炭素や二酸化炭素の測定を行う【クスリ社会を正しく暮らす】

学校薬剤師は「空気検査」を実施する

【クスリ社会を正しく暮らす】

 学校薬剤師として、インフルエンザなどの感染症がはやる冬場は「空気検査」をよく実施します。

 教室でストーブを使用している場合には一酸化炭素の測定を行います。ストーブが不完全燃焼を起こしていると一酸化炭素濃度が上昇するためです。以前には、学校薬剤師が一酸化炭素濃度の上昇を見つけ、その学校が大量購入した型番のストーブに問題があることが発覚した事例もあります。しかし、最近はストーブを使用する学校は減っていて、暖房を利用している学校が多いので、一酸化炭素濃度が問題となるケースはめっきり減りました。

 二酸化炭素は換気の指標として検査します。新型コロナウイルス感染症対策として換気が求められていることからご存じの方もいるでしょうが、二酸化炭素の濃度は、学校環境衛生基準では1500ppm以下であることが望ましいとされています。ただ、建築物環境衛生管理基準では1000ppm以下となっています。児童の人数にもよりますが、閉め切られた教室で1時間程度授業を行うと、二酸化炭素濃度は1000ppmを軽く超えることもよくあります。

 冬場であっても定期的に教室を換気することはとても大切です。最近は給気と排気を同時に行うロスナイ換気が学校でも導入されていて、そうした施設では窓を開けずともしっかり換気ができるようです。

 ちなみに数年前、新型コロナウイルス感染症が流行した際に、一般でもデジタルタイプの二酸化炭素濃度計測器が多く購入されました。しかし、計測器は高価なものから安価なものまでさまざまです。

 本来は、定期的に校正ガスを用いて精度管理を実施する必要があるのですが、この方法は一般的ではありません。

 簡便に二酸化炭素濃度計測器の精度を確認する方法として、外気を測定する方法があります。場所によって濃度は多少異なりますが、外気の二酸化炭素濃度はおおよそ430ppm程度であることが多いようです。この値から逸脱している場合には、その計測器は信頼できないかもしれません。

(荒川隆之/薬剤師)

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