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HPVワクチンを16歳~27歳女性が公費で打てるチャンスは残り半年

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月4日 9時26分

HPVワクチンを16歳~27歳女性が公費で打てるチャンスは残り半年

海外では消えゆくがん、日本は大きく出遅れ(C)日刊ゲンダイ

 フジテレビ系月9ドラマ「海のはじまり」で主人公の元恋人の死因が子宮頚がんであることが描かれている。子宮頚がんを予防するのに役立つのがHPVワクチン。誕生日が1997年4月2日から2008年4月1日に該当する人でワクチン接種がまだなら、そろそろ1回目を打たなければ、「全額無料」の枠を外れてしまう。

  ◇  ◇  ◇

 HPVワクチンは、子宮頚がんワクチンの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチン。「藤沢女性のクリニックもんま」(神奈川県)門間美佳院長が説明する。

「HPVワクチンには2価、4価、9価の3種類があり、現在はほぼ全員が効果の高い9価ワクチンを選びます。イギリス、カナダ、オーストラリアでは女子約82~87%、男子約73~79%が接種しており、2028年には子宮頚がんがなくなる国もあります。例えば東京23区でも多くの区が男子も高校1年まで無料で接種できるようになっています」

 HPVワクチンは、小学校6年生から高校1年相当の女子が定期接種(公費=無料)。「誕生日が1997年4月2日から2008年4月1日までの女性」は、2025年3月末まで“キャッチアップ接種”で、無料接種できる。

「まだ余裕があるのでは?」と思うだろう。HPVワクチン(9価)は、1回目の接種を15歳になってから受ける場合、3回接種。2回目は1回目の2カ月後、3回目は1回目の6カ月後の接種となるので、接種完了まで6カ月間かかる。3回とも無料接種となると、9月中に1回目を打たなければならない。なお、9価ワクチンを自費で打つ場合、3回で約10万円かかる。

■健康被害は大規模調査で否定

 もちろん、“タダだからHPVワクチンを”と言っているわけではない。HPVワクチンは、子宮頚がんの唯一の予防策。だからこそ、前向きに検討した方がいい。

「子宮頚がんは若い女性に多いがんで、20代から増え始めます。現在、毎年約1.1万人の女性が子宮頚がんにかかり、2900人が亡くなっているとのデータもあります。子宮頚がんの原因のHPVは性交渉で感染し、性交渉の経験がある女性の50~80%は感染しているとの報告がありますが、言い換えれば、HPVワクチンを最初の性交渉前に打てば、HPVの感染を回避でき、強力な予防策となります」(門間院長)

 WHOは患者10万人あたり4人以下になった状態を子宮頚がんの撲滅と定義し、諸外国ではHPVワクチンの接種の普及率向上、子宮頚がん撲滅に積極的に取り組んでいる。その動きに対して日本は大きく後れを取っている状況だ。

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