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「ラストマイル」ヒットで盛り上がる映画界 役の引き出しが多い満島ひかりの演技力が光る【芸能界クロスロード】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月5日 9時26分

「ラストマイル」ヒットで盛り上がる映画界 役の引き出しが多い満島ひかりの演技力が光る【芸能界クロスロード】

満島ひかり(C)日刊ゲンダイ

【芸能界クロスロード】

 秋映画の先陣を切って8月23日に公開された満島ひかり(38)主演「ラストマイル」が、公開3日間で観客動員は66万人超え、興行収入は10億円に迫る数字を上げた。映画が終わった後の観客も口々に「面白かった」とシーンを振り返る人の声が多く聞かれた。口コミで広がるのが映画ヒットの法則。2週目以降も観客は増え続けており、大ヒットが確実視されている。

 この映画の大きな特徴が、それぞれ独立した作品が全体のストーリー、キャラクターを共有しつつ発展させる「シェアード・ユニバース」方式を取り入れたこと。TBS系で放送されたドラマ「MIU404」「アンナチュラル」と共有。各ドラマに出演していた綾野剛や星野源、石原さとみらが同じ役で出演していることも公開前から関心を呼んでいた。

 物語は我々の生活に欠かせない大手流通業界が舞台。爆弾テロ事件を巡るサスペンスだが、業界内部の仕組みや人間模様も描かれているのもヒットの一因になった。

 脇役も阿部サダヲ、火野正平ら演技達者が固めているが、役の引き出しが多い満島の演技力も光る。

 タレントから女優に転身して20年。フリー俳優の先駆者的な存在として活動して今年6年目に入った満島。ドラマ・映画だけでなくCMでも存在感を放つ。実力で勝ち取った待望の主演映画も大ヒット。今後も主演オファーが増えるのは必定だ。

 ドラマ主体の女優が多いなか、満島の映画界への本格進出は配給する東宝にとって好循環となった。昨年の「ゴジラ-1.0」の大ヒット。製作した東宝の勢いは増すばかり。今年も山崎賢人の「ゴールデンカムイ」「キングダム」シリーズがヒット。秋も話題作が目白押し。13日には三谷幸喜監督・脚本の話題作「スオミの話をしよう」が公開。主演は東宝のエース・長澤まさみ。満島より1歳年下だが女優歴は4年長い。

「同じ東宝作品。満島の映画がヒットしているだけに、看板女優である長澤は負けられない。数字も含め、高いレベルでの両女優の競い合いも注目される」(映画関係者)

 11月には「ポスト・長澤」と呼ばれる浜辺美波の今年2本目の主演映画「六人の嘘つきな大学生」が公開される。ちなみに木村拓哉主演の「グランメゾン・パリ」も東宝配給で今冬公開予定。

 視聴者離れが続き「朝ドラ」だけが際立つドラマ界より、映画界のほうが盛り上がっているように見える。東宝系列の事務所に所属する長澤、浜辺が映画に重心を移していることからも、映画に対する強い思いがうかがえる。

 事務所から独立してフリーになる俳優が後を絶たないが、映画界にとってフリー俳優は大歓迎。事務所に所属していれば、仕事の話は事務所を通すのが原則。ワンクッションおく手間が省け、監督や製作陣から直接、本人にオファーすることが可能になる。

 俳優側も、ギャラ交渉など多少の面倒はあっても、話し合って自分の判断でやりたい仕事も選べるメリットは大きい。最近は個人的な付き合いのある芸能関係者がエージェント的なことをサポートしてくれるケースもあるという。

 今年4月に独立した黒木華も10月、11月と続けて出演映画が公開される。

 満島主演映画のヒットはフリー俳優にも大きな影響を与えそうだ。

(二田一比古/ジャーナリスト)

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