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1993年に自民党が下野…平岩経団連が献金斡旋を取りやめ【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月6日 9時26分

1993年に自民党が下野…平岩経団連が献金斡旋を取りやめ【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】

【自民党への企業献金(91~120位=1976~2022年)】緊急記者会見で、企業献金を社会党を除く非自民連立政権各党へ拡大する方針を表明した平岩外四経団連会長=1993年7月2日(C)日刊ゲンダイ

【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#4

 岸田文雄、安倍晋三、茂木敏充……。近年の自民党の中軸の面々は、いずれも1993年に初当選した。

 この年、自民党は結党から38年で初めて政権を失った。細川護熙を首相とする7党1会派による連立政権が生まれた。

 70年代の田中金脈問題やロッキード事件以降も、自民の「政治とカネ」のスキャンダルは続いた。値上がり確実の未公開株を政治家に配った「リクルート事件」(88年)、金丸信・元副総裁の脱税事件(93年)、ゼネコン汚職(同)といった具合だ。国民の自民党離れが加速していた。

 新政権は94年、政治資金規正法を改正。税金による政党交付金制度をつくり、政治家個人への企業・団体献金を禁止することにした。政党への企業・団体献金も5年後に見直す方針を盛り込んだ。

 ただし、この方針は後に自民党政権が復活し実現しない。

 自民党の下野に経団連は揺れた。

 衆議院解散の3日後、93年6月21日の時点では、経団連会長の平岩外四(東京電力会長=写真)が「自民に従来通りの資金援助をする」と言ったものの、財界からは反発を受けた。

 結局、平岩は選挙後の9月2日に次の方針を示した。

「企業献金は一定期間の後、廃止も含めて検討する」「その間、各企業・団体は独自の判断で献金を行い、経団連はその斡旋を行わない」

■ソニー出井会長「当時は日本経済が良かった」

 ところが経団連は10年後、自民への献金と距離を置くどころか、自分たちの資金で「政治を買う」ための手段を考案する。その中身は次回に書くが、平岩経団連の方針を、10年後に評した経団連副会長がいる。ソニー会長の出井伸之だ。奥田碩会長(トヨタ会長)ら経団連の首脳陣と共に開いた座談会の記録が、同団体の機関紙「経済Trend」2004年1月号に掲載されている。

「平岩さんが政治献金の斡旋をやめたのも、今回、奥田さんが新しいかたちで政治寄付の促進を宣言したことも、極めて勇気ある行動です。ただ、日本経済が良かった平岩さん時代に比べると、今回のわれわれの危機感ははるかに強く、そういう意味では覚悟のほどは違うかもしれません」 (敬称略、つづく)

▽渡辺周(Tansa 編集長)日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信社の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を!

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