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「猛暑」が個人消費を増加させた 東京では1世帯当たり月平均3122円アップ(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月6日 9時26分

「猛暑」が個人消費を増加させた 東京では1世帯当たり月平均3122円アップ(中西文行)

ミストで少しでも涼しく(C)日刊ゲンダイ

【経済ニュースの核心】

 政府は8月の月例経済報告で、景気の総括判断を2023年5月以来15カ月ぶりに上方修正し、「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と表現した。

 個人消費の判断は、「一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きが見られる」と15カ月ぶりに引き上げたほか、企業収益や設備投資の好調も支えとなったという。「一部に足踏み」とは、賃上げと無縁の年金生活者など増え続ける高齢者の個人消費のことだろう。

 帝国データバンクは8月下旬、猛暑により東京都の7月、8月の家計支出が平年より約390億6300万円増えるとの試算を公表。暑さをしのぐため、エアコンなどの冷房器具、飲料やアイスクリームの購入が拡大し、1世帯当たり月平均3122円の増加とした。

 7月は世帯支出が2621円、8月は3623円、それぞれ増えるとの試算だった。

 内訳は、「家具・家事用品」がエアコンの買い替えを中心に2カ月で計83億6700万円増。「食料」は149億3700万円増で、特に飲料は61億4800万円、アイスクリーム・シャーベットなどの菓子類は45億7100万円、それぞれ増加すると試算した。

■10月以降は「株高」が支援?

 こうした状況下、株式市場は10月に向けて胎動するが、問題は株式需給。キオクシアホールディングスが早ければ10月中の上場を目指している。「捕らぬ狸の皮算用」で市場関係者は、時価総額が1兆5000億円を超え、今年最大の新規株式公開(IPO)になる可能性があると考えている。

 さらに、東京地下鉄(東京メトロ)株を保有する国と東京都は、時価総額7000億円を目指して10月末にも東京証券取引所へ上場させる調整に入った。9月中旬にも東証からプライム市場への上場承認が下りるようだ。東京メトロ全株を保有する国と都(国53.4%、都46.6%)は、合わせて50%を総額3500億円で売り出すもよう。

 個人投資家は、2社の巨額IPOに応札するため換金売りを実施。これによる株式市場の需給関係の悪化前に、利益確定の動きが出るだろう。

 IPOを起爆剤に市場全体の株価が上昇するなら「資産効果」が機能し、個人消費に好影響が期待できると市場関係者は読む。

 政府、日銀も今後の株式市場、個人消費に「捕らぬ狸の皮算用」か。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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