私の便秘克服法お話しします（4）お腹をマッサージ…理想的な便がスルッと出る

意識的に毎日マッサージをするように

押武桜子さん（仮名）＝フリーライター／56歳

　最後に“大爆発”が起こったのは、たしか2年前でした。そのときはパスタではなく、日本そばを食べた日の夜だったんです。そのとき、ふと「もしかして日本そばもパスタも消化が悪いから、便秘に加えて急激な消化不良を起こして爆発するのかも」と疑いました。

　それで、お医者さんに聞いてみたら「そうでしょう」とアッサリ言われました。何だそうだったのか、今まであれこれ悩んでいたのは何だったのか──。

　そういえば、“大爆発”を起こすのは、たいてい寒くなっていく時季です。私は夏は食欲が落ちるのですが、涼しくなると反動で一気に食欲が出ます。それで詰まったうえに、消化の悪い麺類を食べたときに爆発していたのかもしれません。

　お腹をあちこち手で押してみると、「あ、ここに便があるな」とわかります。30代の頃からときどきお腹をマッサージしていたのですが、それからは、意識的に毎日、入浴時と寝る前、起床時にマッサージするようになりました。痛みを感じるほどグリグリするのではなく、優しく、でもしっかりと、便が滞らないようお腹全体を、とくに便が滞っているようなおへそ周辺やおへその右下あたりをマッサージしています。

　それからです。以前よりしっかり出るようになったのは！　調子が良いときは、目覚めてすぐ、ポロポロッではなく、いわゆるバナナ状といわれる理想的な便がスルッと出るのです。これにはビックリしました。「バナナ状の便って聞いたことはあったけど、本当に出るんだ～」と思いました。

　それと、よく噛んで食べるようにしているのも、良いのかもしれません。とくに麺類を食べるときは気をつけています。

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　押武さんがたどり着いた便秘解消法は正しいのか。医学博士の米山公啓氏によると、「便秘の解消法には食物繊維を積極的に取ることや運動が効果的といわれます。腸のマッサージもそのひとつ。実際には、それらだけで解消する人は多くはありませんが、押武さんはマッサージで出るようになったのであれば、今はその対処を続けていけばよいでしょう」とのこと。

　しかし、問題はこれからというから恐ろしい。

「高齢になると食はさらに細り、運動量も減り、ホルモンの関係もあってマッサージでは解消しにくくなってきます。その際は病院へきちんとかかり、処方された薬を嫌がらずに飲むようにしましょう」

“健康的な便通”についての考え方も変えていく必要があるという。

「そもそも、便は『毎日出てこそ健康』というわけではありません。食が細り、運動量も減るわけですから、便の量も減ります。2日に1度や1週間に1度になるかもしれません。腹痛や気持ち悪さといった不調がなければ、それで構わないのです。神経質になりすぎず、自分なりの快適な便通はどの程度のものか、把握することが大事になってくるでしょう」　=おわり

　（構成・中野裕子）