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《柳田悠岐 #1》広島弁封印で「もう会見は勘弁してください」と泣きが入った若手時代【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月11日 17時0分

《柳田悠岐 #1》広島弁封印で「もう会見は勘弁してください」と泣きが入った若手時代【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】

柳田悠岐(C)共同通信社

【ホークス一筋37年 元名物広報が見た「鷹の真実」】#3

 柳田悠岐(1)

  ◇  ◇  ◇

 今やソフトバンクの顔とも言えるのが、柳田悠岐(35)です。

 2020年と昨季は最多安打のタイトルを獲得し、ホームランも17年以降は19年を除いて毎年20本以上。パワーとスピードを兼ね備えたホークスきってのスター選手です。その柳田、天然キャラというのはファンにもよく知られています。あれは一軍のレギュラーを掴んで間もない14年5月だったと思います。この月に月間MVPを初めて獲得。記者会見をする前、僕はこう言いました。

「ギータ(柳田の愛称)、なるべく標準語でな? 広島弁もいいんだけど、これは全国に放送されるから」

 柳田は広島県出身で、当時は広島弁丸出し。それが悪いわけではありませんが、全国に放送される記者会見では、標準語で話した方がいいこともある。

 すると柳田は会見中、何かしゃべるたびに、会場にいた僕の方を見て、口パクで「大丈夫? これで大丈夫?」と合図を送ってきた(笑)。僕も同じく口パクで「OK、OK」と返す。そんな可愛らしい一面もあったんです。

 しかも、会見が終わるや、柳田は「緊張するんで、もう会見はやめてください」と泣きを入れる始末。さすがにそれは無理と言うと、「じゃあ、普通にしゃべれる取材を入れてください」。

 僕も「福岡のテレビ局なら広島弁でも大丈夫だから。でも、こういう会見の時はちょっとだけ頭に入れてしゃべってくれたら、球団も助かるから」と、折り合いがつきました。今では会見でも普通に話せる柳田ですが、昔はこんな感じだったんです。

 グラウンドでは前監督で、一軍と二軍コーチを長く務めた藤本博史さんに厳しく鍛えられました。一軍のキャンプでは、全体練習が終わると必ず、2人でロングティーを長時間やっていた。それも毎日です。2人の間でロングティーを欠かさないという約束があったようで、藤本さんは「自分でやるって決めたことやろ? 今日ロングティーどうすんねん?」と、あえて本人に聞く。

 もちろん柳田も人間。疲労などでしんどい日もあったでしょうけど、藤本さんは「おまえが言ったことだろ。最後までやれ」と、無理やりやらせている時もあった。

 それだけ期待値が高く、また柳田にとってもプラスの経験になったはずです。

 柳田にとって、転機となったのは入団3年目、一軍で使われることが増えた13年でしょう。前年に小久保(現監督)が引退。それまで背中でチームを引っ張ってきたリーダーがいなくなった途端、柳田に自覚が出てきたというか、目の色が変わるのがわかりました。
(田尻一郎/元ソフトバンクホークス広報)

  ◇  ◇  ◇

《柳田悠岐 #2》では、「並み以上のスピードとパワーを兼ね揃えていたがゆえの落とし穴」について詳しく報じている。

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