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「医薬品副作用被害救済制度」の対象はクスリを正しく使っている場合に限られる【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月7日 9時26分

「医薬品副作用被害救済制度」の対象はクスリを正しく使っている場合に限られる【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

異変を感じたら医師または薬剤師に相談

【高齢者の正しいクスリとの付き合い方】

 当連載で以前にもお伝えしましたが、あくまでクスリは体にとって「異物」であり、病気の人はその異物のチカラを使って体の調子を整えています。そして異物である以上、どんな副作用がどんなタイミングで、どんな症状として現れてくるのかを予測するのは困難です。何よりも大前提として重要なのは、「副作用のないクスリは存在しない」ということです。特に高齢者は体の生理機能の大部分が低下しているため、副作用のリスクは高くなります。

 さて、みなさんはそういった副作用が起こったときに利用できる公的支援制度があるのをご存じでしょうか?

「医薬品副作用被害救済制度」といいます。クスリによって重篤な副作用が起こり、入院治療が必要となるほどの健康障害が起こった場合に、医療費や年金などの給付金が支払われる制度です。

 ここでポイントになるのが、「クスリを適正に使用していて起こった副作用」が対象となる点です。病院で処方されたクスリであれば、用法用量を正しく守って使用していたにもかかわらず重篤な副作用による健康障害が起こった場合などがそれに該当します。

 しかし、医師や薬剤師の指示を守らず、クスリを多めに服用したり、自己判断で服用・使用タイミングを変えていたりすると、この制度の対象にはなりません。まずは、処方されたクスリなら決められた用法用量、医師の指示をしっかり守って服用・使用することがとても重要となります。

 また、この制度は調剤薬局やドラッグストアで市販されている医薬品で起こった重篤な副作用に対しても適用されます。市販されている医薬品は病院で処方されるものと比較して成分の量が少ないことが多いですが、だからといって副作用が出ないわけではありません。そういったクスリによる副作用も救済制度の対象となる点は、覚えておいて決して損になることはありません。

 ただし、救済制度があるからといって、重篤な副作用が出現しても大丈夫というわけではありません。副作用が出ないに越したことはありませんし、万が一、副作用が出てしまった場合にはできるだけ早期発見、早期対処することがとても大切です。

 クスリを使っている人は、体に何か異変を感じた場合にはすぐに医師または薬剤師に相談するようにしてください。ほとんどの副作用は早期に対処ができれば重篤になることはまれです。ここがクスリと付き合っていくうえで最も重要なポイントだと私は考えています。

 とはいっても、医薬品副作用被害救済制度はクスリを使用するうえで一つの安心材料になります。ぜひ一度、ホームページなどで内容をご確認ください。

(東敬一朗/石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師)

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