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夏ドラマは駄作ばかりだった…「どうせパリ五輪に食われる」と各局の手抜きミエミエ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月8日 9時26分

夏ドラマは駄作ばかりだった…「どうせパリ五輪に食われる」と各局の手抜きミエミエ

二宮和也(左)と目黒蓮(C)日刊ゲンダイ

 夏ドラマは最終盤に入ったが、まあ、不作というか、およそ見たいものがなかったなあとお嘆きのムキが多いのではないか。

「ブラックペアン2」(TBS系)は、きわめて難しい心臓手術を世界でただひとり完璧にこなす外科医(二宮和也)が、法外な手術代と引き換えに命を救えるかという医療ドラマのはずだが、まるでサスペンスがない。初めから患者は心臓病とわかっていて、受ける手術も同じ、その成功も予定調和で、めでたしめでたしのエンディング。イチかバチかの手術を受ける患者の心情もほとんど描かれない。

 6年前に放送されたシーズン1は世帯視聴率14.3%と好調で、続編を作ればイケるだろうと考えたのか、竹内涼真、葵わかな、小泉孝太郎、内野聖陽ら共演者もそのまま、主役の二宮を双子の兄弟という設定にしたのだが、いかんせん手術シーンが嘘っぽい。病院ではなくホールか何かのステージに臨時手術室をしつらえて公開オペとは、まるでマグロの解体ショーである。全話視聴率で11%維持がギリギリか。

「海のはじまり」(フジテレビ系)はネット再生数はダントツだが、展開が遅く、テレビのリアルタイム視聴では付いていけないと脱落者が相次いでいる。個人視聴率も3.5%まで落ちた。

 おととし秋の「silent」(フジ系)の難聴者役で一躍人気となった目黒蓮を、今度は「月9」の主役に起用してヒットを狙ったが、目黒の体調不良で収録・放送が一時ストップというケチがついて、勢いを失った。

「新宿野戦病院」は歌舞伎町のリアリティーなし

「クドカン(宮藤官九郎)に外れなし」と言われるが、「新宿野戦病院」(フジ系)は外れではないか。東洋一の歓楽街、新宿・歌舞伎町の病院を舞台にしたコメディーだが、歌舞伎町のにおいがほとんどしない。クドカンは自分が体験したり、よく知っている世界のドラマはうまいが、そうでないと途端に薄くなる。冬クールの「不適切にもほどがある!」(TBS系)はテレビ局での話だったから、あるあるエピソード満載だったが、「新宿野戦病院」に登場するキャバ嬢、トー横キッズ、不法滞在外国人、反社らはリアリティーなし。宮藤は新宿ゴールデン街で飲んだくれて喧嘩をしたりという経験はないのかなあ。「まあ、歌舞伎町ってこんなとこでしょ」と並べて見せたという感じだ。笑いもベタ過ぎて、クドカンらしい切れ味と皮肉に乏しい。

■しわ寄せでカネも手間もケチる

 話題の3ドラマがこのありさまだから、他は推して知るべし。去年の夏は「VIVANT」(TBS系)、「ハヤブサ消防団」(テレビ朝日系)、「シッコウ!!~犬と私と執行官~」(テレ朝系)など、カネも手間もかけ、凝ったドラマが目白押しだったのに……。

「今夏はパリ五輪とかぶるので手抜きです。オリンピック放送は放送権料や中継にべらぼうにお金がかかり大赤字。スタッフも最優先で回します。そのしわ寄せで、ドラマ制作はカネも人も手間もケチらざるを得ません。窮余の一策で、歩留まりが計算できるニノやクドカン、目黒でお茶を濁したというところでしょうかね」(番組構成作家)

 そんなドラマじゃ面白いわけがない。秋クールに期待しよう。

(コラムニスト・海原かみな)

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