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体の中にはボルトが12本…山口いづみさん腰椎すべり症との苦闘を語る

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月9日 9時26分

体の中にはボルトが12本…山口いづみさん腰椎すべり症との苦闘を語る

俳優の山口いづみさん(C)日刊ゲンダイ

【独白 愉快な“病人”たち】

 山口いづみさん(俳優/69歳)
  =腰椎すべり症ほか

  ◇  ◇  ◇

「こんなにひどいのは長い整形外科人生でトップ3に入りますよ」

 大学病院の先生にそう言われて、かなり驚きました。

 今年の春、3回にわたって手術をいたしました。今は歩けるようになりましたけれど、前かがみになることや、後ろに反ることや、体をねじることはたぶんこの先もできないと思います。

 始まりは、30代後半の子育て真っ最中の頃でした。腰痛で整形外科を受診すると「腰椎すべり症」と診断されて、コルセットを作り、ずっと定期的にレントゲンを撮って経過を見てきました。

 腰痛ってすごく痛いときと、ちょっと楽になるときを繰り返しながらだんだん悪くなるんですね。でも、気づくとちょっと楽になる時期がなくなって、ここ2年くらいはずっと痛い状態でした。寝ていても痛いし、寝返りの痛みで起きてしまうので寝不足にもなって、3種類の痛み止めを場合に応じて飲むようになりました。

 それでも痛くて、ブロック注射も効きません。去年の暮れぐらいからはお婆さんみたいに前かがみにならないと歩けなくなりました。10歩進んでは腰を伸ばし、また10歩進むような状態……。仕事がら、姿勢よくありたいのにそれができないのです。

 鍼や整体、カイロプラクティックなど、ありとあらゆるものを試しましたが効果はありません。腰は右に傾いて、体のラインが出るドレスや着物が着られなくなりました。それでも、昨年のクリスマスライブの日は朝から痛み止めを飲み続けてステージに立ちました。中止を考えなかったのは、何か目標がないと張りがなくなって、姿勢をキープしようと努力しなくなるからです。

 30代後半から通っている整形外科の先生から、「腰の手術は必ず治るとは言い切れないし、神経が集まっているところなので、歩けなくなるリスクもゼロではない。手術は最終手段にしましょう」と言われてきました。なので、ギリギリまで耐えてきたのです。

 杖を使ったことはなく、「痛い」とか「つらい」という言葉も周りの方々に気を使わせてしまうので一切言わず、ずっと“普通”を装っていました。マネジャーにすら相談したことはありません。

■10歩しか歩けなくなったとき限界を感じた

 でも10歩しか歩けなくなったとき、限界を感じたんです。精いっぱいでした。これ以上、このままでは人生が楽しめない。


 誘っていただいても旅行にも行けない。残された時間が何年か分かりませんけれど、こんなに痛い思いをして、悲鳴を上げながら暮らすのは嫌だと思い、それで手術に踏み切りました。

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