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奥田碩トヨタ会長が経団連会長に就任 機関紙での座談会で打ち出した「政党採点」への疑問【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月10日 9時26分

奥田碩トヨタ会長が経団連会長に就任 機関紙での座談会で打ち出した「政党採点」への疑問【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】

【自民党への企業献金(121~150位=1976~2022年)】献金で政治に積極的関与(小泉首相と奥田硯経団連会長=2005年)/(C)日刊ゲンダイ

【自民党と企業献金 蜜月の半世紀】#5

 自民党の下野を受けて、経団連会長の平岩外四(東京電力会長)は1993年に「企業献金を廃止を含めて検討する」という方針を示した。

 それから10年、2003年に政権を握っていたのは自民党で総理総裁は小泉純一郎。この前年に経団連の会長に就任したトヨタ自動車会長の奥田碩は、経団連として企業献金と距離を置くどころか、献金を通じて政治に積極的に関与する方針に転じた。

 各政党の政策や実行力を分野ごとに採点し、会員企業に献金を呼びかけることにしたのだ。

 奥田が経団連の首脳陣と共に開いた座談会の記録が、経団連の機関誌「経済Trend」04年1月号に掲載されている。奥田が言う。

「企業の政治寄付につきましては、平岩会長のときに廃止を含めて検討するとされました。その後、何回かこれを見直すことを検討いたしましたが、結論が得られませんでした。日本の経済社会の構造改革を断行するためには、政治の役割が大きく、それを後押しするために、やはり政治寄付は必要であろうと考えて、今回の取り組みを打ち出したと言うことです」

■「そのとおりやってくれるか、きちっと見る」

 経団連評議員会副議長で、第一生命保険会長の櫻井孝頴は「プラン、ドゥ、シー、サポート」の繰り返しの重要性を語った。

「経済団体が初めて一種のマニフェストを出して、そのとおりやってくれるかどうかをきちっと見て、それを評価しますと言っているわけですから、われわれも言い放し聞き放しというわけにはいかない。プラン、ドゥ、シー、サポートという繰り返しをやることによって、われわれ自身の政策に対する感度のブラッシュアップが行われていきます」

 この座談会が掲載された04年1月、経団連は自民党と民主党を対象に、10項目の政策への取り組みをA~Eの5段階で採点した。結果は自民党が民主党を大きく上回った。

自民党
A→1項目
B→8項目
C→1項目

民主党
A→0項目
B→3項目
C→5項目
D→2項目

 これが公平な評価なのか。財界の要望を受け入れる自民党に、献金するための口実ではないのか。そう疑わざるを得ないことが後に露呈していく。 (敬称略)

▽渡辺周(Tansa 編集長)日本テレビを経て2000年に朝日新聞入社。17年にワセダクロニクル(現Tansa)を創刊、電通と共同通信社の癒着を暴く「買われた記事」で、日本外国特派員協会「報道の自由推進賞」。寄付で運営し非営利独立を貫く。ご支援を!

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