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大谷3度目MVPに「50-50」は不可欠…MLB打者の理想像は《走攻守のいずれでも活躍する選手》(鈴村裕輔)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月11日 9時26分

大谷3度目MVPに「50-50」は不可欠…MLB打者の理想像は《走攻守のいずれでも活躍する選手》(鈴村裕輔)

迎えるチームメートにおどけてみせる大谷翔平(C)共同通信社

【メジャーリーグ通信】

 大リーグ史上6人目の40本塁打と40盗塁を達成した大谷翔平(ドジャース)には、これまで誰も実現できなかった「50-50」を達成することが期待されている。

 それとともに、史上2人目の両リーグでのMVPの獲得も現実味を帯びてきた。両リーグMVPの最初の達成者であるフランク・ロビンソンはレッズからオリオールズに移籍した1966年に2度目のMVPとなっているものの、2年連続での獲得ではなかった(1度目は1961年)。

 従って、移籍初年度に加え、2年連続でのMVPとなれば、その価値はますます高まることになる。

 一方、今季のMVPについて大谷の名前が挙がることに懐疑的な意見もある。代表的な論者は昨季までメッツの監督だったバック・ショーウォルターだ。

 スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」の取材に答えたショーウォルターが、大谷ではなくフランシスコ・リンドア(メッツ)に言及し、打撃だけでなく守備でも勝利に貢献していることはMVPにふさわしいと指摘している。

「打席にしか立たない指名打者は4打数無安打であれば勝利に寄与しないが、リンドアは打てない試合でも守備で勝ちに貢献している」という趣旨の指摘は、多分に昨年までメッツで一緒であったショーウォルターとリンドアの関係を反映している。

 ただ近年、MVPの選出に際して重視されている総合的な指標である(ファングラフスの)WARでリンドアが大谷を上回っている点は、ショーウォルターに代表される懐疑論に一定の真実味を与える。

 確かに、主としてDHとして出場し、守備に就く機会の少ない選手がMVPとなるのは、2021年の大谷を待たねばならなかった。

 史上最高の指名打者と称されるエドガー・マルティネスも1995年にMVP投票で第3位となったのが最高である。

 この背景には、DHは守備や走塁で見劣りする選手が打力を生かすための場所という考えとともに、打者であれば走攻守のいずれでも活躍する選手が理想だというMVP像がある。

 大谷の過去2度のMVPも、DHであるだけでなく投手でもあったことがWARを引き上げた結果と言える。

 それだけに大谷が3度目のMVPを獲得するためには前人未到の「50-50」を達成し、MVP投票の有権者であり、歴史の開拓者をひときわ重視する全米野球記者協会を納得させることが懐疑論を払拭する上でも不可欠となる。

(鈴村裕輔/野球文化学会会長・名城大准教授)

  ◇  ◇  ◇

 そんな大谷に、26年WBC出場辞退の可能性が浮上している。周囲は「大谷で連覇」とかまびすしいが、いったなぜか。大谷が「絶対に避けたいこと」とは何なのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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