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イトーヨーカドーは生き残れるのか…8年で800億円超の赤字、店舗数ついに100を切ることに

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月12日 9時26分

イトーヨーカドーは生き残れるのか…8年で800億円超の赤字、店舗数ついに100を切ることに

イトーヨーカドー上板橋店(C)日刊ゲンダイ

 先月18日、集まった多くの人たちから拍手と「ありがとう!」の声が聞かれたのが、営業最終日を迎えた横浜市のイトーヨーカドー綱島店。1982年開業の同店は地元のシンボル的存在だった。今月29日に閉店するのが、72年開業と綱島店より10年古い板橋区の上板橋店で、利用者の40代女性はこう話す。

「昔、屋上にあったゲームコーナーで遊んだり、1階で自転車を買ってもらったり、子供時代の思い出が詰まった店なので寂しいです」

 だが、衣料品売り場などは昭和にタイムスリップしたような雰囲気で、時代に取り残された感は否めなかったという。

■競合ひしめく「食品スーパー転身」の成否

 8年で800億円超の赤字を計上し、苦境に陥っているヨーカドーは2026年2月までに33店舗を閉店し、店舗数は93と100を切ることに。店舗を首都圏に集約、選別するほか、祖業の衣料品を縮小するなど経営効率化する中、いま力を入れているのが「食」ジャンルだ。5月に総菜ブランド「ヨーク・デリ」をスタートさせるなど、GMS(総合スーパー)から食品スーパーへの転身を図っている。

「今年に入って、セブン-イレブンを含むセブン&アイグループ初の共通セントラルキッチンが千葉で稼働したほか、総菜の店内調理など、食に力を入れ始めているところです」

 こう話す消費経済アナリスト・渡辺広明氏だが、ライフやロピア、オーケーなど競合がひしめく食品スーパーでの生き残りに懸念を示す。

「先行する食品スーパーの総菜は日々進化しているため、ヨーカドーがかつてのように顧客の支持を取り戻すのにかなり苦労すると思います。どこも手作り感に力を入れる中、コンビニでもローソンが店内調理を強化していますし、テイクアウトが常態化した外食チェーンもライバルになります。サイゼリヤレベルの料理であれば、コンビニの店内調理でも提供可能になっています」(渡辺広明氏)

 食品は、まさにレッドオーシャン状態だ。

「うまくいっているところは、どこも顧客目線をしっかりくみ取っている。これまでグループのシナジーを生かせずにいたセブン&アイが、総力を挙げて顧客に支持される商品、サービスをいかに提供できるか。再び輝きを取り戻すには、ふんどしを締め直してかからないと生き残りは厳しいでしょう。老舗の意地を見せてほしいところです」(渡辺広明氏)

 果たして、復活を遂げることはできるのか。

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