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副鼻腔炎の治療は進歩している(3)鼻詰まりから解放され仕事のパフォーマンスが向上

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月12日 9時26分

副鼻腔炎の治療は進歩している(3)鼻詰まりから解放され仕事のパフォーマンスが向上

手術で症状改善

 慢性副鼻腔炎と診断され薬での治療が難しく日常生活に支障を来している場合には、手術が検討される。

 都内の大手企業でサラリーマンとして働く55歳の男性は、約10年ほど前から鼻水と鼻詰まりに悩まされていた。日が経つにつれて徐々に嗅覚が薄れ、鼻詰まりによる睡眠障害で仕事中の集中力が低下し、業務に支障が出るように。受診した耳鼻科で薬物療法を行ったが嗅覚は回復せず、内視鏡手術を決意。術後1カ月経つと、長年悩まされていた鼻詰まりはすっかりなくなり、睡眠の質が良くなり仕事のパフォーマンスが向上した。さらに嗅覚が改善したことで食事を楽しめるようになり、痩せ気味だった体重も標準体形になった。術後3年が経過した現在も再発することなく過ごしている。

 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室教授の鴻信義氏はこう話す。

「腫瘍ができた部分を取り除き、根治を目指すがんの手術と違って、副鼻腔炎の治療は患者さんの症状を改善させるのが目的です。ただ、術後1週間は出血や腫れを抑えるために鼻の穴の中に綿やスポンジのような資材を入れて過ごす『パッキング』を行う必要があり、その間は頭が重く感じたり、かえって鼻が詰まるような症状が見られます。2週から1カ月を過ぎるころには症状が徐々に改善されるので、焦らず待つのがポイントです」

 傷ついた鼻粘膜を回復させるためにも、術後は激しい運動や汚れた空気を吸うことを避け、できるだけ安静に過ごす必要があるが、デスクワークであれば3日後から出社が可能だという。ただ、気圧の変動は頭痛を誘発しやすいため、術後2週間は飛行機に乗るのは避け、傷口を刺激しないよう水泳は1カ月控えたい。また、喫煙は傷の治りを悪くさせて再発のリスクを高める。喫煙習慣があれば、手術を機に禁煙することだ。

「一般的な慢性副鼻腔炎であれば術後の再発率は1割未満と非常に少ない。ただ、鼻茸ができる好酸球性副鼻腔炎の場合には、半数が術後6年以内に再発するという報告もあり、中には再手術が必要になるケースもあるので、術後も診察や投薬を継続する必要があります」

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