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義足生活で注意すべきポイントは?体重管理は欠かせない【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月12日 9時26分

義足生活で注意すべきポイントは?体重管理は欠かせない【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

強度を維持するために体重制限が…

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#35

 普段、歩こうと足を1歩前に踏み出す際は、膝を伸ばす役割を担う大腿四頭筋の力が欠かせません。下腿切断であれば大腿四頭筋への影響がないため、切断前と同様の歩行を行えます。しかし、大腿四頭筋が失われる大腿切断や股関節離断の場合には、イチから歩き方を習得する必要があるのです。

 大腿切断であれば、股関節を後ろに引っ張るお尻にある臀筋の作用を利用して、その反動で足を前に振り出して歩きます。ただ、臀筋は日常生活であまり使わない筋肉なので、これまでと違った歩き方になり、歩きにくさを訴える患者さんが多く見られます。さらに股関節離断になると、臀筋さえも使えません。腹筋や背筋で腰を前に振りながら歩かなければならず、腰痛のリスクも高まります。

 また、大腿義足や股義足を装着していても長ズボンをはいていれば、周囲は義足ユーザーだとは気付きませんから、ぶつかって義足が外れると転倒する危険があります。周囲から注意してもらえるよう、普段は杖なしで歩かれている方であっても、外出時は杖をつくようお伝えしています。

 近年の義足は軽量化している製品もありますが、強度の面から下腿義足で約8キロ、大腿義足や股義足では約10キロです。下腿切断した足の重さはおおむね2キロ前後と、重さからも義足が頑丈であると分かりますが強度を維持するために体重制限が設けられています。

 糖尿病性足病変による足の壊疽で下腿切断をした40代の男性は、切断直後は熱心にリハビリに取り組み、義足をはいて職場復帰もされていました。ところが1年過ぎたあたりから徐々に体重コントロールが悪くなり、70キロだった体重は100キロを超えてしまいました。義足の体重制限をオーバーしたことから、義足の装着が難しいと判断され、車いすでの生活に切り替えました。

 義足は、一度作製したら終わりではなく、体重管理や定期的なメンテナンスが必須です。義足本体の耐用年数は平均3~5年で、故障すると取り換えなければなりません。水や砂ぼこりは故障の原因になりやすいので、入浴する際は取り外し、汚れがあれば定期的に拭いて清潔にしておくとよいでしょう。

▽寺門厚彦(てらかど・あつひこ) 1995年聖マリアンナ医科大学卒業。2005年順天堂大学リハビリテーション医学助教を務め、06年公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンター付属診療所嘱託医。19年順天堂大学足の疾患センター装具外来を担当。

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