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カルーセル麻紀には「ナンボギャラ払ろても値打ちあると思うで!」上岡龍太郎さんが絶賛していた(本多正識)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月14日 9時26分

カルーセル麻紀には「ナンボギャラ払ろても値打ちあると思うで!」上岡龍太郎さんが絶賛していた(本多正識)

カルーセル麻紀(C)日刊ゲンダイ

【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#209

 カルーセル麻紀

  ◇  ◇  ◇

 あの天才・上岡龍太郎さんがことあるごとに「(カルーセル)麻紀の壮絶な体験聞いてみ、この子にはナンボギャラ払(はろ)ても値打ちあると思うで!僕みたいに口先だけで言うてんのとはわけが違う、深さが違う!」と絶賛されていたのがカルーセル麻紀さんです。

 先日、80歳を越えてなお、ドレスに「13センチ」のピンヒールのおしゃれな姿で「徹子の部屋」に出演されているのを見て、昔と全く変わらない妖艶さに感心・感激しました。4年前に脳梗塞を患われてその後の体調が気になっていましたが、以前と変わらずキレのいい口調で話されていて安心しました。

 30年あまり前に桂南光さんの「痛快!エブリデイ」(関西テレビ)に何度かゲストとして来ていただき、いつも気さくに話をしてくださいました。

 歯に衣着せぬ言葉で話されても、今のSNSで問題になっている誹謗中傷とは違い、決して人格を否定しない、人を傷つけない節度を保った痛快なトークに頭の良さ、優しさがにじみ出ていました。

 それもすべてはご自身が体験されてきた数々のいじめや偏見を乗り越えてこられた経験からくる配慮があったのだと思います。

 男性の新入社員のAD君が説明をしに近づくと「まぁ~おいしそうな坊や!?」といきなり頭を抱きしめて胸元へ押し付け、南光さんが「麻紀さん怖がってますやん!」とツッコミを入れると「うるせぇ南光! 黙ってろ!」と“オッサン”言葉で切り返し「あら、失礼いたしました南光さん。ワタクシとしたことがはしたない」と男女を自在に交えて話し、カルーセルさんの周りはいつも笑いであふれていました。

 楽屋話で「性転換手術」のことを伺いましたが、それは強烈なものでした。

 フランス人の男性が手術したという記事を週刊誌(だったと思います)で見つけて「こんなことが本当にできるんだ」と現在のお金に換算して3000万円ともいわれる莫大な費用。言葉もろくに通じないモロッコの病院に行き、手術を受けるだけでも未知の世界です。術後に患部が化膿して猛烈な痛みと40度を超える高熱が数日続いたときには「ここで死ぬんだという気持ちと、こんなとこで死んでたまるかえ! という気持ちが交錯してましたね」と生死に関わる話を時にしんみりと、時に豪快な笑いを交えて聞かせてくださいました。

「よう思い切られましたね」と伺うと「そうね。体も“女”になりたかったんだね。若いからできたのよ……でも30(歳)過ぎてたから、そう若くもないんだ、ホンマにようやったよね!」と私の肩を叩きながら大笑い!

「アンタいくつ?」「30半ばです」「若く見えるけどいい年なんだ!」とまた大笑い。

「たくさんの人たちのおかげで今があることを忘れちゃだめなのよ。ひとりじゃなにもできないんだから」としみじみ言われていたのを今でも覚えています。

 強い信念に裏打ちされた優しいお人柄がすてきなカルーセル麻紀さん。これからもお元気でお過ごしください!

(本多正識/漫才作家)

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