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「資さんうどん」をすかいらーくHDが買収 “北九州のソウルフード”は全国展開から世界を目指す(小林佳樹)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月14日 9時26分

「資さんうどん」をすかいらーくHDが買収 “北九州のソウルフード”は全国展開から世界を目指す(小林佳樹)

(資さんうどんHP)

【経済ニュースの核心】

“北九州のソウルフード”と呼ばれる「資さんうどん」が、「ガスト」や「バーミヤン」などを運営する外食チェーン「すかいらーくホールディングス(HD)」に買収されることになった。10月上旬に「資さんうどん」の全株式を「すかいらーくHD」が譲り受ける。買収額は約240億円となる。

「資さんうどん」といえば、昨年10月26日、北九州市の「旧安川邸」で行われた藤井聡太竜王と伊藤匠七段による第36期竜王戦七番勝負第3局で藤井竜王が勝負飯として昼に食した「肉ごぼ天うどん」が話題となった。器からはみ出るほど長い、ごぼうの天ぷら5本と、甘辛の牛肉がのせられた人気メニューで、藤井竜王は味巻きずしにジャンボいなり、かしわ(鶏肉)おにぎりもセットにした。

「資さんうどん」は、1976年、北九州は八幡製鉄所に程近い港町で生まれた。もともとは創業者・大西章資さんが「安心しろ、もうかっているうどん屋だ」と言われて知人から譲り受けた戸畑区の一軒のうどん店がルーツ。だが、フタを開けてみれば、閑古鳥が鳴く、とても繁盛店とは言い難い店だった。当時33歳の大西章資氏はその店を「うどん・そば 資さん一枝店」として開店、1980年に「資さん」の前身となる「有限会社さぬきや食品」を設立したのがはじまりだ。

 現在ではうどんだけでなく、丼物やおでん、ぼた餅など100種類以上の豊富なメニューを揃え、北九州市内を中心におよそ70店舗を展開している。創業当初から愛され続けるぼた餅は年間に530万個以上売り上げるほどだ。

 だが、2015年7月に創業者の大西氏が死去し、後継者問題などから福岡銀行の投資ファンド「福岡キャピタルパートナーズ」が株式を取得した後、2018年3月に投資ファンドのユニゾン・キャピタルに譲渡された。

「資さん」もコロナ禍で苦心した。足元の年商は120億円余りといわれるが、今冬には首都圏への出店も計画されており、「新規出店などでコストも膨らみ、年間億単位の利益計上には至っていない」(大手信用情報機関)とされる。今回の240億円というのは、「資さん」の成長性を高く評価された価格設定であり、株主のユニゾンにとっても売り時だったといえる。

■「世界の資さん」へ

 すかいらーくHDは買収を機に、「資さんうどん」の全国、さらに世界展開を視野に入れている。「北九州の資さん」から「九州の資さん」へ、そして今後は「日本の資さん」「世界の資さん」を目標にするというわけだ。

 北九州市民も「世界に羽ばたいても、懐かしい素朴な味を続けていって欲しい。資さんうどんは不滅っちゃ」とエールを送る。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

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