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いつだって自然体 西田尚美は「石橋は叩く前に渡ってしまう」がモットー

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月15日 9時26分

いつだって自然体 西田尚美は「石橋は叩く前に渡ってしまう」がモットー

西田尚美(C)日刊ゲンダイ

【今週グサッときた名言珍言】

「こんなことになるとは思わなかったです」
 (西田尚美/NHK「LIFE!ヒットパレード(1)」8月28日放送)

  ◇  ◇  ◇

 モデルからキャリアをスタートし、役者として長らく映画・ドラマに欠かせない存在であり続けている西田尚美(54)。彼女はコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」(NHK)でも、2012年のスタート時から現在に至るまで出演している。

 芸人でもこれだけの期間、テレビコントを演じ続けている人は、めったにいない。座長の内村光良からも「うちのエース!」と評されるほど。そのコントでの役回りも、振りを担うトスを上げるセッターから、笑いを取るアタッカーへと変化していったという。そのことを西田が笑って振り返った言葉を今週は取り上げたい。

 西田は、中1のときに母親を亡くしている。だから「生きてる間は楽しい方がいいと思ったんです。生きているといろんなことがありますけど、つらいときも楽しいことを考えて、自分に正直に素直に生きるのが一番だ」(MANTAN「毎日キレイ」22年11月3日)と実感した。

 バイト感覚でモデルを始め、そのマネジャーに勧められるまま、ドラマのオーディションに参加。1993年の「オレたちのオーレ!」(TBS系)で、いきなりヒロイン役として役者デビューを果たした。

 以降、「カッコいい役しかやらないとか、きれいな役しか嫌だとか、自分の中で線を引かなかった」(同前)と役柄にこだわらず出演しキャリアを重ねた。その中に「LIFE!」もあったのだ。

 さすがにコントは「自分にできるのだろうか」と不安もあったが、内村が監督した映画に出演経験があったことも後押しした。だから短編ドラマに出演している感覚で笑いを取ろうというような意識はない。共演者からは「何も考えてないでしょう?」と言われてしまうが、実際、あえてそうしている。

「気負いは持たないように気をつけています。私ね、気持ちを入れ込んだ途端空回りをするんですよ、間違いなく。まったく面白くなくなるのが、目に見えるんです。力が入ると空回りするタイプなんですね。これは経験から断言できます(笑)」(ニューヨーカー「NEWYORKER MAGAZINE」14年6月25日)

 それはコントに限らない。考えすぎると前に進めなくなるから、直感で面白そうと思えば、とりあえずやってみる。「石橋は、叩く前に渡ってしまう、が私のモットー」(集英社「OurAge」21年6月4日)だと。

 いつだって彼女は自然体。「エース」と呼ばれるところまでも自然体でたどり着いたのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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