米国の利下げで日米の株価は過去どう動いたか【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月15日 9時26分
FRBのパウエル議長(C)ロイター/File Photo
【ベテラン証券マンが教える株のカラクリ】#133
8月5日に大暴落した日本株は、3万8000円台まで急回復を見せたが、9月に入ると米国経済の失速懸念から再び不安定な動きだ。相変わらず日本市場は米国経済の動向に大きく揺さぶられている。
こうした中、注目されるのは今月17~18日の米FRBで決まる利下げによって米国株と日本株はどう反応するかである。
過去の利下げ局面のデータを調べてみた。対象となる米利下げの時期は、①1989年6月②95年7月③98年9月④2001年1月⑤07年9月⑥19年7月の直近6回である。では、どう動いたのか(利下げが始まった時点を基準に、その後半年=125営業日までのNYダウと日経平均の騰落率を算出)。
まずNYダウは①9.1%上昇②11.4%上昇③22.7%上昇④3.4%下落⑤9.8%下落⑥7.0%上昇と4勝2敗だった。次に日経平均だが、やはり①11.0%上昇②34.8%上昇③17.9%上昇④8.5%下落⑤19.6%下落⑥10.9%上昇と、すべてNYダウに連動した。
利下げがあっても必ずしも株高にならないわけだが、その違いは何かというと、利下げ開始から半年以内に米景気後退(リセッション=2四半期連続のマイナス成長)があったかどうか、である。過去6回のケースを確認してみると、「景気後退なら株安」「景気後退を回避できたら株高」になることがわかった。
このように過去の事例から見てわかることは、重要なのは利下げそのものではなく、「利下げ後の米国景気動向」にかかっていると言っていい。
日本の市場はすでに米国の景気後退のリスクをかなり織り込んではいるが、今後もマイナス成長のサインが出るたびに過敏に反応して下落するだろう。だが、逆にリセッションを回避し景気が軟着陸(ソフトランディング)に向かうシグナルが続けば、一気に上昇、4万円台回復も十分だ。
しばらく米国景気の動向から目が離せない。(丸)
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